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2020年11月20日

【流 通】カネカ 5G ミリ波帯対応 超耐熱ポリイミドフィルムを開発


カネカは5G(※1)高速高周波対応の超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオ(TM)(※2) IB」を開発した。2020年10月からサンプル提供を開始しており、2021年からの本格販売を予定している。「ピクシオ(TM) IB」は、カネカが長年蓄積した高度なポリイミド開発技術で高周波帯における誘電正接(※3)をポリイミドフィルムで世界最高レベルの0.0025まで低減させた。これにより高速通信を実現できる5Gのミリ波帯(※4)への対応が可能になった。

4Gの約100倍の通信速度と言われる5G対応スマートフォンが登場し、見通しでは世界のスマートフォン市場における5G対応機種は今後急速に拡大する。カネカは5G対応製品としてSub6帯に対応可能な「ピクシオ(TM) SR」に、今回ミリ波帯対応の「ピクシオ(TM) IB」を加え、ラインアップを拡充しデジタルデバイスの高機能化を支える素材として拡販する。

カネカは高速情報通信を支える素材として超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオ(TM)」で高いマーケットシェアを有しており、今後もガラス代替フレキシブルディスプレイ用透明ポリイミドフィルム、有機ELディスプレイ TFT(※5) 基板向けポリイミドワニス、超高熱伝導グラファイトシートなど各種ポリイミド製品で様々なソリューションを提供する。


※1 5G
第5世代移動通信システム(5th Generation)の略称

※2 ピクシオ(TM)
コアとなるポリイミドフィルムの両面に熱可塑性ポリイミドの接着層を施すことで優れた加工性を持つ超耐熱ポリイミドフィルム。2層フレキシブルプリント回路基板に使用される。2層フレキシブルプリント回路基板は、従来の3層基板に比べて薄型化が可能であり、さらに信頼性・寸法安定性にも優れる

※3 誘電正接
材料内部の電気エネルギー損失の度合い

※4 ミリ波帯
5Gから利用できる新しい周波数帯。5Gは「sub6帯(3.6GHz〜6GHz)」と「ミリ波帯(28GHz〜300GHz)」の2つの周波数帯に分かれる。今後はより高周波数で通信速度が速いミリ波帯の普及が進む見込み

※5 TFT(Thin Film Transistor)
薄膜トランジスタの略称。有機EL素子の発光を制御する

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通