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2020年10月05日

【流 通】パナソニックと福井大学 疑似天窓とプロジェクターによる空間演出効果実証


パナソニック ライフソリューションズ社と福井大学は共同で、「天窓照明」とスポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」などを導入した福井大学医学部附属病院(福井県永平寺町)の待合室にて実証実験を実施し、閉鎖空間での疑似天窓とプロジェクターによる空間演出によって、空間の印象や来院者の気分を改善する環境が作られることを確認(※)した。

大規模なビルの中心部や地下では外界と繋がる開口部を設けることが難しく、このような無窓空間の問題点として開放感がなく親しみにくいといった印象面のほかに、作業効率が悪いことや疲労が回復しづらいことがあげられる。そのため従来より無窓空間における悪影響への改善策が求められていた。

今回の実証実験は疑似天窓とプロジェクターの両方が設置された外光が入らない空間での実験で、福井大学工学部建築・都市環境工学科 明石行生研究室、医学部附属病院、高エネルギー医学研究センターとパナソニックが共同で、2019年10月から2020年1月の期間に、福井大学医学部附属病院の外来受付Bの待合室で、通院者や来院者延べ379名を対象に実施した。

実証実験を行った待合室では、「天窓照明」2台で天井を、スポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」1台で床面を演出し、「スピーカー付ダウンライト」1台でシーンに応じた音を再現しました。実験では、(1)青空(2)青空と木洩れ日(3)水面(4)サメが泳ぐシーンなど4種類のパターンを準備し、木漏れ日に小鳥のさえずりを組み合わせたり、水面に波の音を組み合わせたり、サメが泳ぐのを下から眺める様子と波の音を組み合わせるなどして、自然や癒しを感じられる空間を演出した。

これらの実験の結果、演出のない従来環境下(装置オフ)に比べて、演出のある環境(装置オン)では、空間の印象や来院者の気分を改善させる環境であることが確認された。

空間印象評価では「サメと波の音」のシーンで「気分を紛らわせられる」、「水面と波の音」のシーンと「青空木洩れ日と小鳥のさえずり」のシーンでは「自然を感じる」、「屋外とつながっている」などで向上した。気分評価としては「水面と波の音のシーン」と「青空木洩れ日と小鳥のさえずり」のシーンで「活気−活力」、「友好」などの気分が改善される環境であることが確認された。またアンケート調査時に、多くの方が導入されたものが好印象であるとの回答を得た。

このことから、病院の閉鎖的な空間で疑似天窓装置などを利用することにより、空間の印象と来院者の気分を改善しうる環境を提供できる可能性があることがわかりました。

※ 2019年10月から2020年1月に実施した実証実験結果による

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投稿者:gotsuat 09:40| 流通