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2020年09月28日

【環 境】三菱商事 CO2活用骨材の製造技術を持つ米国企業と協業

三菱商事は環境負荷低減に向けた取組みの一つとして、CO2を用いたコンクリート原料である骨材(以下 「CO2活用骨材(※1)」)の製造技術(以下 「CO2有効活用技術」)を有する米国Blue Planet Systems Corporation(以下「Blue Planet」)へ資金提供を行うと共に、同社のCO2有効活用技術の事業化に向けた協業契約を締結した。

Blue Planetは平成24(2012)年の創業以来、環境負荷低減を目標にCO2有効活用技術の開発とその事業化に取り組んでいる。具体的には、発電所などの排気ガスに含まれるCO2をコンクリートへ固定化する技術や、未使用コンクリート又は廃棄コンクリートなどの産業廃棄物を有効活用する技術の開発を推進している。

また、同社のCO2活用骨材は、既に米国サンフランシスコ国際空港の改装工事で使用された実績もある。Blue Planetと三菱商事は令和3(2021)年度にかけて米国カリフォルニア州シリコンバレー地区でCO2有効活用技術の実証事業を行い、その後、本格的に商業展開する計画である。

世界のCO2排出量は年々増加傾向にあり、平成30(2018)年には約330億トンを超え、発電、運輸部門に次ぎセメント分野を含めた産業部門も約20%の主要排出源となっている。パリ協定の目標達成には再生エネルギーの普及・化石燃料の低炭素化のみならず、CO2の地下貯留やCO2有効活用が必要とされており、世界のコンクリート市場規模の大きさを踏まえれば、コンクリート原料としてのCO2活用によって数億トンのCO2削減効果が期待できる。CO2の有効活用骨材を含めたCCUS(※2)は、三菱商事の事業ポートフォリオの広さを活かせる事業機会の一つであり、令和2(2020)年7月14日付「CO2を原料とするパラキシレン製造に関する開発に着手」および令和2(2020)年8月5日付「CO2有効利用コンクリートの研究開発」で発表した取組みに加えて、Blue PlanetのCO2有効活用技術の事業化に取り組むことにより、脱炭素社会の実現と経済価値・社会価値・環境価値の三価値同時実現を強く推進していく。

※1 CO2活用骨材
通常、コンクリートは骨材(砂や砂利、コンクリート原料の約8割を占める)を結合剤(セメント等)で固めたもの。BluePlanetは骨材にCO2を固定化させてCO2削減に寄与する技術を有する

※2 CCUS
(Carbon dioxide Capture,Utilization/Storage)
発電所や工場などの排ガスから二酸化炭素(CO2)を分離・回収し、有効利用(CCU)または貯留(CCS)すること

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】