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2020年09月28日

【知 識】島根大学と住友化学 二酸化炭素からメタノールを合成する共同研究を推進

島根大学と住友化学は二酸化炭素からメタノールを実用化に見合うレベルで高効率に合成する共同研究を推進する。

メタノールはエチレンやプロピレンといった低級オレフィンを製造する原料として広く使用されているほか、合成樹脂や接着剤、薬品、塗料など化学品の基礎原料で、世界で年間約8,000万トンの需要があり、現在は、化石資源である天然ガスや石炭ガスを主原料に、高温高圧下で複数の製造工程を経て生産されている。

気候変動対応が世界的に喫緊の課題となる中、企業やアカデミアは温室効果ガス削減を目指して、炭素循環の実現に資する技術開発に取り組んでいる。メタノールはごみの焼却処理により発生する二酸化炭素と再生可能エネルギー由来の水素を原料として合成すれば、温室効果ガス排出量の削減と有用な工業製品の生産を同時に達成することができる。また合成ガス(一酸化炭素、二酸化炭素および水素の混合ガス)からも製造ができるため、地域の使用済みプラスチックやバイオマス資源を合成ガスに変換し、この合成ガスを原料としてメタノールを得ることで、炭素循環が実現する。

二酸化炭素を原料としたメタノール合成の実用化に向けた課題として、メタノールの収率が低いことや反応で副生する水蒸気による触媒劣化が知られているが、近年、この課題を克服する技術として、島根大学総合理工学部の小俣光司教授が開発する反応収率を向上させるプロセス技術が注目を集めている。共同研究では、島根大学は引き続き触媒とプロセスの基礎技術の開発を進め、住友化学は、その基礎技術をもとに触媒とプロセスの工業化に取り組み、高効率なメタノールの合成反応の確立を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識