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2020年09月07日

【環 境】川崎汽船 “世界初”船上でのCO2回収試験を実施


川崎汽船は国土交通省海事局の補助事業である「海洋資源開発関連技術高度化研究開発事業」の対象プロジェクトとして、三菱造船と日本海事協と共同で「洋上におけるCO2回収装置検証のための小型デモプラント試験搭載と装置コンパクト化の研究開発」を実施する。

実証試験に利用するCO2回収装置は、陸上プラント用のCO2回収装置を転用し、同船から排出される排気ガスの一部を収集し、排気ガス中のCO2分離・回収の検証のみならず、洋上環境下におけるCO2回収装置の操作性・安全性評価の実施を通して、洋上システムに求められるコンパクト化並びに安定継続運転の検討とその仕様要件を纏めることを目的としている。

実証試験は2か年計画で、2020年8月から日本海事協会の検証の下、デモプラント及び実船搭載に関わるHAZID評価(潜在危険および想定災害についての同定評価)と三菱造船が手配するCO2回収小型デモプラントの製造、システム安全評価を実施する。その後2021年中旬にデモプラントの工場作動試験を経て、川崎汽船が運航する東北電力向け石炭運搬船“CORONA UTILITY”に搭載し、2021年度末まで実際の洋上環境下に於ける運転と性能確認計測を通じて新たな洋上システムとしての開発を共同で実施される。

洋上での実証試験は世界初の取組み、そこで得られた知見は将来的に、洋上設備や船舶の排ガスからCO2を回収するゼロエミッション技術・装置の開発につなげることが期待される。また、回収されたCO2はEOR(Enhanced Oil Recovery:原油増進回収法)への新たなCO2の供給源やメタネーションと呼ばれる人工合成燃料の原料としてもリサイクル利用が期待され、将来のGHGの排出削減にも大きく寄与できると考える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:50| 3R活動・廃棄物処理【内容】