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2020年09月02日

【環 境】NECとNTT Com 新冷媒を用いた世界初の冷却システムを開発


NECとNTT Comはデータセンター(以下 DC)内の通信機械設備の空調におけるノンフロンの新冷媒(以下 新冷媒 ※1)を用いた冷却システムを開発し、共同実験を行い、空調消費電力を従来の冷却システムと比較して半減(※2)できることを実証した。

同システムは新冷媒(ノンフロン)を世界で初めて空調設備として実用化し、既存フロア、サーバルーム等への設置が容易な構造とすることで、消費電力削減および地球環境負荷の低減に貢献することが期待される。

ICTの活用拡大によりDCの市場は年率10%以上で増加(※3)している。また首都圏の全消費電力は約12%が通信装置等による(※4)電力量と言われており、環境保護の観点からも消費電力の低減が課題となっている。特にDCの消費電力の約30%以上を占める空調消費電力の低減が大きな効果のあるものとして期待されている。

これらDCの空調消費電力低減に向けた冷却効率向上策として、発生熱源付近で冷却を行う方法が一般的に良い構成とされているが、配管が容易な水冷システムによる局所空調では、受熱部機器が大きいため後付け設置がむつかしい。また従来の冷媒は高圧ガスとなるため、有資格者による管理が必要となるなど様々な課題があった。

※1 新冷媒(ノンフロン)
温室効果を示す地球温暖化係数が自然冷媒(二酸化炭素)とほぼ同じで、環境にやさしい。冷媒には高圧冷媒 (R1234yf)と低圧冷媒(R1224yd)がある。高圧冷媒は主にカーエアコンなどに使用され、低圧冷媒は主に冷水冷凍機用途(水冷)などで使用されている。今回、低圧冷媒(R1224yd)を空調機用途(空冷)として世界で初めて開発・実用化された(空調機用途(20冷凍トン相当)として世界初)

※2  NECの実証実験結果による。実測データを元に、受熱部の体積当たりの性能が他社の従来品比約2倍であること(空調消費電力が半減できること)を試験結果から算出した

※3 出典:Frost&Sullivan「Identifies Data Center Investment and Technology Trends 2019」

※4 出典:NEDO「データセンターの省エネルギー化に関する動向調査」

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】