<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2020年08月18日

【知 識】GHG削減に向けた海上輸送インフラに係る共同研究開発を開始


日本郵船、ジャパン マリンユナイテッドと日本海事協会は、アンモニアを主燃料とする液化アンモニアガス運搬専用船(AFAGC:Ammonia Fueled Ammonia Gas Carrier)及び浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備(A−FSRB:Ammonia Floating Storage and Regasification Barge)の実用化に向け、共同研究開発契約を締結した。

アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されており、さらにアンモニアの原料となる水素にCO2フリー水素(※)を活用することでゼロ・エミッション化の実現が可能と言われている。

特に発電の主な燃料として使われている石炭や天然ガスと置き換えることによる、大幅なCO2の排出削減が期待されている。国内ではアンモニア100%でのガスタービン発電に成功しており、またCO2排出の削減に寄与する革新的な次世代火力発電技術として石炭火力発電所でのアンモニア混焼発電に向けた技術開発が進められている。

また海運分野でも温室効果ガス(GHG)の排出削減が課題となっている。2018年には、国際海事機関(IMO)が、国際海運分野からのGHG排出量を2050年までに半減させ、今世紀中の早期にゼロとする目標を掲げました。アンモニアは船舶の代替燃料としての活用にも期待が高まっている。

これら燃料アンモニアの需要拡大が見込まれる中で安定供給に向けた輸送インフラの必要性が高まると見込み、3社でAFAGC及びA−FSRBの共同研究開発に着手することとなった。

※ CO2フリー水素
CO2を発生することなく生成した水素。CO2フリー水素を生成する方法として、再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱等)を活用して水素を製造する方法や、化石燃料( 天然ガス・石炭等)を活用し、発生したCO2を回収・貯蔵して水素を製造する方法などがある。上記の方法により生成された水素を原料とするアンモニアはCO2フリーアンモニアとされ、燃料や水素のエネルギーキャリアとしての活用が期待されている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識