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2020年08月07日

【知 識】キユーピー、横国大、東京医大 「説明できるAIの基盤技術開発」に採択


キユーピーと横浜国立大学、東京医科大学は共同してNEDOが公募する「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業(※1)」に応募し、「説明できるAIの基盤技術開発」(研究開発項目〔1〕:「人と共に進化するAIシステムの基盤技術開発」の一つ)に採択された。キユーピーは研究を通して、将来の発がんリスクを判定する技術の開発・実現を目指す。

がんは、さまざまな生活習慣が複合的に関与する生活習慣病であり、食生活とも深く関係すると考えられている。キユーピーは食生活の提案でがんを予防することを目的として、2013年から東京医科大学の落谷孝広教授(当時、国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野 分野長)と、血液中に存在するマイクロRNAという微量成分の発現量により将来の発がんリスクを判定する研究と、がん予防の観点から特定の食成分の摂取によるマイクロRNA発現量の改善に関する研究共同で実施している。

複雑なマイクロRNAをAIで解析し、将来の発がんリスクを判定する際、判定根拠として「どのマイクロRNAの発現量が変化しているか」を同時に示すことができれば、がん予防のために改善すべきマイクロRNAが明確になり、結果として発がんリスクの低減につながる食提案が可能になる。しかし既存のAIでは、判定結果は出せても、その根拠を示すことはできない。

この課題を解決するため、2019年度に採択されたNEDOの単年度事業である「AIの信頼性に関する技術開発事業」において、三者と共同で判定根拠を同時に示すことができるAI(explainable AI:XAI)開発について研究を行った。今回は2019年度の研究を継続・発展させた「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」に応募し、採択された。5年に及ぶ研究ではマイクロRNAと将来の発がんリスクとの関係の研究を継続しつつ、医療現場と連携した社会実装の検討も行う予定にしている。

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投稿者:gotsuat 09:35| 知識