<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2020年07月17日

【環 境】CO2を原料とするパラキシレン製造に関する開発に着手

【環 境】CO2を原料とするパラキシレン製造に関する開発に着手
 
富山大学、千代田化工建設、日鉄エンジニアリング、日本製鉄、ハイケム、三菱商事(以下「共同研究者」)は、NEDO(※1)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/化学品へのCO2利用技術開発」に応募し、採択された。

火力発電などから排出されるCO2の削減は気候変動対策として重要であり、またCO2を資源として捉え、回収し、有効利用する「カーボンリサイクル技術」の開発が求められる。2019年6月に策定された「カーボンリサイクル技術ロードマップ」では、CO2を素材や燃料へ利用することなどを通して、大気中へのCO2排出を抑制していく方針が示されている。

こうした中、NEDOは既存の化石燃料由来化学品に代替することを目的とする化学品へのCO2利用技術の開発として、CO2を原料とするパラキシレン (※2)製造に関する世界最先端の技術開発事業への取り組みを開始し、共同研究者はこの技術開発事業の委託先として採択された。パラキシレンは、高純度テレフタル酸(PTA)(※3)を経由してポリエステル繊維やペットボトル用樹脂等に加工される化合物で、工業上、極めて重要な基礎化学品である。その組成上、化学品を製造するカーボンリサイクル技術の中では水素原料の使用量を抑えながらCO2を固定化できる特長があり、経済的観点、環境的観点いずれの意味でも可能性が大きいテーマである。パラキシレンの世界需要は約4,900万トン/年あり、仮に現在の世界のパラキシレンの需要を全てCO2原料に切り替えた場合のCO2固定量は1.6億トン/年に上る。

※1 NEDO
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

※2 パラキシレン
芳香族炭化水素の一つであるキシレンの異性体。ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となるテレフタル酸の原料として用いられる。化学式ではC8H10で表される。

※3 高純度テレフタル酸(PTA)
芳香族カルボン酸の一つで、PTAはパラキシレンを酸化させることで得られる(化学式はC8H6O4)。PTAとエチレングリコールを反応させることでポリエチレンテレフタラート(PET)が得られ、PETはポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】