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2020年07月09日

【流 通】沖電気工業 密漁監視ソリューションの販売開始


沖電気工業は、長年培ってきた水中音響センシング技術を活用し、密漁船や水中の不審なダイバーを監視し検知する「密漁監視ソリューション」を開発し、販売を開始した。あわせて北海道の増毛郡増毛町、古宇郡泊村、岩内郡岩内町で、同ソリューションによる密漁監視の運用を順次開始する。

近年、アワビやナマコなどは高級食材として、組織化・大規模化された密漁団などに狙われることが多く、その被害額は年々大きくなっている。また夜間に無灯火船で移動し、潜水器を用いてダイバーが密漁を行うなど、その手口も巧妙化している。大切な海の資源を守るため、監視カメラ、レーダーなどによる監視や、人手によるパトロールなどが行われてきたが、いずれも人件費や装置コストの負担が大きいことに加え、夜間に無灯火船、水中のダイバーの両方を監視し不審者を発見するのは難しいという課題があった。

沖電気工業はこれらの課題に着目し、総務省「平成30年度IoTサービス創出支援事業」を矢口港湾建設、北海道増毛郡増毛町とともに受託して、沖電気工業の水中音響センシング技術を使い、密漁船と水中の不審ダイバーの両方を監視する密漁監視ソリューションの実用化に向けた検証を行ってきた。

沖電気工業の水中音響センシング技術は、自ら音を発信することなく海中音を受信する水中音響センサーを使用しており、水中を伝わってくるさまざまな音の中から、船のエンジンやスクリュー音、ダイバーの呼吸音などをリアルタイムに検出することができる。このため、昼夜を問わず、不審船の侵入、さらにはこれまで発見が難しかった不審なダイバーの接近を、水中の音からいち早く検知して通知することができる。実用化検証は2018年度にスタートし、翌2019年には増毛町で水中音響センシング部の耐雑音性を高め、水中音検出性能を改善する追加実験を行った。この実験の結果、水中音響センシング技術を使った密漁監視ソリューションの実用化に成功し、販売を開始することになった。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通