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2020年06月04日

【流 通】DNP スマートファクトリー向け高精度位置検出マーク「DXマーカ」開発


DNPは物流用の自動搬送ロボット等の動きを高精度に制御するために、画像処理ソフトとカメラを活用し、角度±1度以下の精度でセンシングできるマーカ(「DXマーカ」)を開発した。

第5世代移動通信システム(5G)のサービス開始にともない、工場内のさまざまな機器や設備をインターネットでつなぎ、総合的に管理する「スマートファクトリー」が積極的に検討されている。物流分野においても、昨今の人材の不足という課題に対して、無人フォークリフト等の自動搬送ロボットが「スマートファクトリー」を構成する主要な要素として注目されている。

従来、フォークリフト運転者が荷物をトラックに積み込む際には、荷物の重さや大きさ、傾きなど、作業環境の細かい条件に合わせて、フォークリフトの爪(フォーク)の角度を±1度以下の範囲で微調整していた。自動搬送ロボットは荷物に貼付されたマーカをロボットが読取り、荷物の位置を認識したり、倉庫内の柱などのマーカを読取り、自身のいる場所を確認したりしている。しかし既存の紙製のマーカでは、紙の収縮、印刷の凹凸や位置精度の低さにより、搬送ロボットが荷物の傾き等に合わせてフォークリフトの爪の微調整を行うことが困難であり、また汚損が生じやすいという課題があり、そのために高精度で耐久性があり、且つ安価なマーカが求められていた。

高精度なマーカは産業技術総合研究所(産総研)が開発しており、宇宙空間における人工衛星の挙動計測にも使われ、またGPSの使えない場所でも誤差10cm未満の測位を可能にしている。今回DNPはその位置検出精度を維持しつつ、産総研技術移転ベンチャーであるリーグソリューションズによる新たなデザインに基づき、課題であった安価な「DXマーカ」を開発した。「DXマーカ」は、DNPが長年培ってきた高精密な印刷技術の一つで液晶ディスプレイのカラーフィルタでも実績のあるフォトリソグラフィ技術を活用して、ガラス基板上に±数μ(10−6)mの精度でパターニングしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通