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2020年05月28日

【流 通】岩谷産業と阪大 グリセリンを常温常圧下でDHAに変換する無機触媒を開発


岩谷産業と大阪大学(工学研究科・今中信人教授、布谷直義助教)は共同で、グリセリンをジヒドロキシアセトン(以下、DHA)に常温常圧下、しかも短時間で変換することができる無機触媒の開発に成功し、特許を共同出願した。グリセリンから、温和な条件下・短時間でDHAを合成することが可能となることで、DHA製造にかかる時間およびコストが大幅に削減できる。

近年、化石燃料の代替エネルギーとしてバイオディーゼルが注目されているが、バイオディーゼル製造の際にはグリセリンが副生されるため、グリセリンが供給過剰になっている。その多くは有効な用途がなく廃棄されており、グリセリンの有効活用化や高付加価値化が求められている。

通常グリセリンをDHAに変換するには、微生物による長時間の発酵プロセス、あるいは高温高圧下での反応といった特別な環境が必要になる。しかし、今回開発した、レアアースを含有する無機触媒を使用することにより、温和な条件下での反応で、高いDHA生成能とDHA製造コストの削減が可能となった。

グリセリンの2位ヒドロキシ基の酸化により得られるDHAは、サンレスタンニング(※)をはじめとした化粧品や、医農薬中間原料として需要がある。岩谷産業は今回の触媒に使用されているレアアース等のレアメタル原料を広く取り扱っており、それら原料のアプリケーション開発を進める中で、大阪大学の持つ技術に着目した。今後、当社は商業スケールでの生産に向けて、触媒製造メーカーやDHA製造メーカーなどのパートナー企業を募り、事業化に向けて取り組む。

※ サンレスタンニング
太陽光なしで日焼けしたような肌を作ること

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通