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2020年03月13日

【環 境】日本郵船と千葉工業大学 マイクロプラスチック分布の大規模な外洋調査を開始


日本郵船は世界的な環境問題である海洋プラスチック汚染へのソリューション創出に向けた取り組みとして、船舶を用いて世界中の海でマイクロプラスチックを採取し、分析調査する覚書を千葉工業大学と締結した。民間企業と研究機関が協力し、広範囲な海域でマイクロプラスチックの実態調査を行うのは、世界で初めての取り組みである。

世界経済フォーラム(ダボス会議)によると世界の海洋には毎年800万トン以上のプラスチックごみが流入しており、この傾向が続けば令和32(2050)年には海洋プラスチックごみの総重量が海中に生息する魚類の総重量を超えるとの予想が発表されている。
海中のプラスチックは半永久的に分解されず、紫外線や波浪の影響などを受けて直径5ミリ以下の小さな粒子「マイクロプラスチック」となり、海面や海底等に留まります。それを摂取した生物の体内に取り込まれ、その後の食物連鎖を通じて海洋生態系全体に広がることで人体にも大きな脅威を及ぼすことが懸念されていますが、どこに、どれだけの量の、どのような種類のマイクロプラスチックが浮遊、蓄積しているか、年間どのくらい増え続けているかという実態は解明されていないのが現状である。

海を舞台に事業を展開する日本郵船は、マイクロプラスチックによる海洋汚染を社会課題の一つと捉えており、同社グループが持つ外航船舶のネットワークを利用した大規模な実態調査が課題解決のソリューション創出の糸口になると考えた。同社は約750隻の運航船ネットワークを活用して、航海中にマイクロプラスチックを採取する。マイクロプラスチックに関する最先端の研究を行っている同大がサンプル分析を行い、マイクロプラスチックのサイズ・分布濃度・経年等が分かるプラゴミマップを作成する。

両者は3月からトライアルとして、ドライバルク船の3隻によるサンプリングを開始した。この結果を受けて順次調査の船種と海域を増やし、サンプル採取方法を確立します。サンプリング日時、位置情報、気象海象データ等と分析結果を紐づけてマイクロプラスチックのビッグデータ集積を行い、世界規模の詳細なプラゴミマップの作成を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:50| 3R活動・廃棄物処理【内容】