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2019年11月15日

【知 識】住友商事、住友商事東北とナイルワークス 先端農業技術のサービス展開


住友商事と住友商事東北(以下、2社を総称して「住友商事グループ」)とナイルワークスはJAみやぎ登米と協業し、農業用ドローンとバッテリーシェアリングをパッケージ化して提供するサービスを確立した。今後、大型JAや農業生産法人などに展開する。

日本の農業は就農者の高齢化や担い手不足が進み、生産者にとって病害虫や雑草の防除、水位管理などの農作業の負担が課題となっている。農作業の効率化に向けた先端技術の活用が進められており、近年では農業用ドローンが注目されているが、散布面積が拡大するほど多数のバッテリーが必要になるため、利用者にかかる経済的負担も大きくなる。本格的なドローンの導入には運用コストの軽減が避けて通れない課題として存在する。

住友商事グループは2018年よりJAみやぎ登米と共同で、ナイルワークス製農業用ドローンの導入実証を行っており、2019年、ナイルワークス製ドローン「T−19」20台をJAみやぎ登米管内に導入した。また、飛鳥未来きずな高等学校 登米本校(旧米山高校)の一部を借り受け、ドローンのバッテリーの保管・充電を行う施設「スマート農業センター登米」を設立した。

「スマート農業センター登米施設は安全面から温度・電圧・充放電回数を管理しながら給電を行うマクセル製のインテリジェント・バッテリーが充電・保管されており、ドローンの利用者は必要な時に必要な数のバッテリーを利用できる。バッテリーをシェアすることで、ドローンの導入費用削減や可動の効率化が実現し、品種や地域に応じた適切防除も可能になる。

なお、同施設はJAみやぎ登米管内の約400ヘクタールの耕作地でドローンによるカメムシの集団防除を行った際に活用した実績があるが、今後住友商事が国内外から発掘した先端農業技術を展示・紹介するショールームとしても利用する。また、全国各地で2019年に3社が防除した面積は1,000ヘクタールを超えており、そこで収集された圃場の画像情報は、生育診断システムの精度向上に役立て利用者に還元される。

住友商事グループは農業用ドローンとバッテリーシェアリングを組み合わせたサービスを、生産者との対話を通じ、農法やニーズに合わせた形で展開することを目指す。また、農業用ドローンに加え、水田センサーや農機の情報システムなどの先端技術を活用し、誰にでも使いやすく、分かりやすいサービスの構築にも取り組んでいく。ナイルワークスは保有する技術を水稲以外の作物に展開し、日本のみならず海外にも進出することで、精密農業のリーダーになることを目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識