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2019年10月11日

【流 通】AI活用で多目的ダムの流入水量の予測精度向上・運用効率化を支援


DeNA、日本工営、長岡技術科学大学と長岡工業高等専門学校は多目的ダム(※1)における利水運用の効率化のための研究を行い、将来的に増電効果が見込めることが分かった。

これまで多目的ダムでは、地上雨量(※2)とレーダ雨量(※3)を用いて解析雨量(※4)を算出し、ダム流入水量を予測していた。地上雨量は高頻度で正確な降雨量を測ることができる一方、観測範囲が狭い。対してレーダ雨量は、範囲が広く遠方まで観測可能だが、局地的・速報的な降雨量を測るには向いていない。そのため地上雨量とレーダ雨量のデータを合わせて、広範囲かつ正確な雨量を解析雨量として算出している。しかし解析雨量は30分おきに過去1時間の雨量から算出されるため、速報性に欠け、ダム流入水量に誤差が生じることがあった。

今回、解析雨量を正確な値と見立て、レーダ雨量データを画像解析技術で補正することで、広範囲かつ正確な降雨量データ(解析雨量と同程度の正確値)を、従来の30分単位ではなく5分単位で求めることができた。これにより、ダム流入水量をより正確に予測し、ダム運用の効率化に貢献することが期待される。

※1 多目的ダム
流水量を調整する治水、農業利用や発電に活用する利水など、複数の機能を兼備したダム

※2 地上雨量
アメダスなど地上に設置した観測機器を用い、ある地点で行われる降水観測の測定値

※3 レーダ雨量
アンテナを回転させながら電波を発射する気象レーダを用いて観測した広範囲の雨量

※4 解析雨量
地上雨量とレーダ雨量を組み合わせて、降水量分布を解析したデータ

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通