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2019年10月10日

【物 流】国交省 中部地方整備局 農産物の海上輸出試験を実施


中部地方整備局は農産物の輸出促進を図る上で、海上輸送における課題抽出と対応策を検討するために、庫内温度を一定に保つ高機能冷凍・冷蔵コンテナを用いた海上輸送試験(第1回目)を行った。

実験では上記の高機能冷凍・冷蔵コンテナを用い、MAフィルム(包装内を低酸素・高二酸化炭素状態にして鮮度を保つ)包装あり・なしの2パターンを用いて、農産物28品目を清水港からシンガポール港まで海上輸送し、荷卸後の24時間後に倉庫内環境や農産物の品質を計測・評価した。

結果、コンテナ内の温度を0.2〜0.5度、湿度75%に保つことに成功し、温湿度や振動衝撃による腐敗や損傷はなかった。

荷卸後24時間後の状態では、なす、オクラ、キュウリが低温障害、ほうれん草が貯蔵による単純劣化により販売に適さない状態であった。残る24品目は集荷時と同等又はやや劣る品質で販売に適する状態であった。

MAフィルム包装は白菜、レタス、キャベツなど個包装でない葉物野菜の水分蒸散防止に特に効果的であり、包装なしの状態と比較すると重量の減少が抑えられ、鮮度の保持に大きく寄与した。果物やトマトの味わいに重要である糖度は、輸送前後で上下した品目はあったが、販売へ影響を与えるほどの変化ではなかった。農産物へかかる衝撃も荷卸時の5Gのみで、航空輸送の積み卸し時(20G以上の場合もあり)と比べてごくわずかであった。

第2回輸送試験では、旬を迎えた新たな品目の追加や可販率向上を目的とした包装方法の工夫などを実施する。試験期間は約2ヶ月に1回を予定している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 国際物流