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2019年09月03日

【流 通】DNP 電子楽譜を制作・配信する流通販売事業開始


大日本印刷(DNP)はタブレット端末上で瞬時に移調できる電子楽譜活用アプリの提供や、オンデマンド印刷による紙の楽譜の販売など、統合的なサービスを提供する次世代型の楽譜流通販売事業を開始した。

国内には演奏愛好者が約1,300万人おり(総務省統計局:平成28年社会生活基本調査)、演奏者個人や学校・団体などで多くの楽譜が使われている。そのなかで、演奏者が自身の楽器に合わせた移調・読み替えなどを行う場合やページがめくり難い部分について、紙楽譜に対し手作業で修正を加える必要があった。こうした課題に対してDNPは演奏者が移調などの作業を簡単に行えるデジタル楽譜の流通チャネルを構築する。

今回提供する演奏者のニーズに応じて楽譜を調整できるアプリ「MuseCloud(TM)(ミューズクラウド)」は、世界的な電子楽譜のファイルフォーマット規格MusicXML形式に対応しており、電子楽譜を演奏者のニーズに応じてカスタマイズできる。

トランペットやサックスなどの管楽器では、演奏上の都合から楽曲の形を変えずに、音域を読み替えて、原曲からの移調を行うことがある。MuseCloudはあらかじめ電子化された楽譜の調性を読み込み、アプリに組み込んだアルゴリズムによって簡単に移調を行うことができる。また、オーケストラ等の楽譜(総譜)には譜面上にさまざまな楽器が記載されている。MuseCloud上で、利用者自身が担当する楽器を選択すると、そのパートのみ(パート譜)が表示される。総譜での全体把握と、パート譜での自らの位置づけが容易になり、楽曲のより深い理解につなげることができる。

MusicXML形式とPDFの電子楽譜を1つのアプリ内で管理して、どこでも簡単に利用できる。今後、アプリ内に格納した楽譜への書き込みを可能にする機能を追加開発していく(提供開始時はPDFのみ対応)。

また、電子だけではなく紙楽譜への要望に応じてオンデマンド印刷による1冊から楽譜を提供する。蛇腹折りの楽譜形態にも対応する。

DNPは、一貫して楽譜浄書から印刷、電子化、販売まで行うトータルサービスを提供することで、次世代型の電子楽譜流通チャネルを創出する。「DNP楽譜配信・活用サービス MuseCloud」で電子楽譜を制作・管理し、 ピクシブが運用する創作物の総合マーケットサイト「BOOTH」の楽譜販売ページで販売する。購入した電子楽譜は楽譜活用アプリ「MuseCloud」で利用できる。また、紙の本や電子書籍を販売するDNPのハイブリッド型総合書店「honto」でも2019年冬より販売開始を予定している。

今後、DNPは楽譜を所有する国内外の出版社や所蔵機関と、楽譜を利用する演奏者の両方にサービスを提供していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通