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2019年05月20日

【物 流】「Sigfox」を活用した物流用パレット位置管理の実証実験を開始


ホシデンと京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)は、グローバルIoTネットワーク「Sigfox(※1)」を活用した、物流用パレットの位置管理の実証実験を開始した。

今回通信に利用するSigfoxネットワークは、IoTに特化して開発・普及が進んでいるLPWAネットワーク(※2)のひとつで、低価格・低消費電力・長距離伝送ができる。実証実験はオムロン住倉ロジスティック(以下、OSLC)の協力を受け、OSLCが管理する物流用パレットにSigfoxモジュールを搭載した通信デバイスを装着し、パレットの位置管理を行う。この実験により、パレットの位置管理手法を確立させ、パレットの紛失防止を目指す。

物流用パレットは荷役・輸送・保管を行うための荷役台で、2017年度には約6,900万枚(※3)が生産されており、国内では数億枚が流通していると言われている。一方で、パレットには詳細な位置情報や経路情報を把握する機能が搭載されていないため追跡・回収ができないことが多く、毎年相当数が物流の過程で紛失しており、大きな課題となっている。紛失したパレットの費用は荷主が都度補填しており、物流コストの増加につながっている。

これまでも位置情報追跡サービスの実用化を目指して各方面で実験が行われ、一部サービス化されているものがあるが、パレットの価格と導入・運用コストが折り合わない、パレット使用途中に通信デバイスの電池交換が困難などの理由から、普及が進んでいない。

このような背景から、通信料金が低価格、電池交換不要でデバイスの長期稼動が可能、利用者によるネットワーク構築が不要と言った特長を持つSigfoxを活用することで課題を解決し、物流業界への貢献を目指す。

※1 Sigfox
フランスのSigfox S.A.が提供しているIoT用のネットワーク規格。2009年よりフランスで導入が始まり、ヨーロッパを中心に現在60カ国に展開されている。日本国内においては、KCCSがSigfoxネットワークを運営する唯一の通信事業者(Sigfoxオペレータ)として、2017年2月からネットワークを提供している。人口カバー率は2019年3月に95%となり、2019年夏に97%を目指しエリアの拡大を進めている

※2 LPWA(Low Power WideArea)
低消費電力、km単位の長距離で通信できる無線通信技術の総称。機器のバッテリー消費を抑えながら、データを収集する基地局まで電波を届けることができ、特にIoT(Internet of Things、モノのインターネット)向けなどに有用な技術であると注目を集めている

※3 日本パレット協会調査パレット生産統計(全国推計/2018年度発表)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| IT関連