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2019年04月26日

【流 通】カネカ 5G対応超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオSR」開発

カネカは、5G(※1)高速高周波対応の超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオ(※2)SR」を開発した。2019年発売の5G対応スマートフォンのフレキシブルプリント回路基板用部材に採用が決定した。

5Gは2020年に本格的に実用化され、2023年には5G対応機種がスマートフォン生産台数の約3割を占めると推定されている(※3)。そのため高周波帯における伝送損失(※4)が低い回路基板のニーズはますます高まっていくことが見込まれる。超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオSR」は、独自のポリイミド分子設計技術によって5Gの高周波帯に対応する低伝送損失を実現するとともに、銅箔との接着面に熱可塑性(※5)ポリイミド層を用いることで優れた加工性を有する。

今後、5Gの急速な普及に伴い、通信システムを支えるポリイミド材料のさらなる需要拡大が見込まれる。カネカは、超耐熱ポリイミドフィルムに加え、フレキシブルディスプレイ用透明ポリイミドフィルム、TFT(※6)基盤向けポリイミドワニス、超高熱伝導グラファイトシートなどの開発に注力しており、IoT/AI 時代の実現に向けて各種ポリイミド製品で様々なソリューションを提供する。


※1 5G(5th Generation)
第5世代移動通信システム

※2 ピクシオ
コアとなるポリイミドフィルムの両面に熱可塑性ポリイミドの接着層を施した超耐熱ポリイミドフィルム。2層フレキシブルプリント回路基板に使用される。2層フレキシブルプリント回路基板は、従来の3層基板に比べて薄型化が可能であり、さらに信頼性・寸法安定性にも優れる

※3 富士キメラ総研「2018 5G/高速・大容量通信を実現するコアテクノロジーの将来展望」

※4 伝送損失
回路基板上を流れる電気信号の劣化度合い

※5 熱可塑性
加熱すると軟化し、冷やすと再び固くなるプラスチックの性質

※6 TFT(Thin Film Transistor)
薄膜トランジスタの略称。有機 EL 素子の発光を制御する

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通