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2019年03月14日

【環 境】住友ゴム工業 天然ゴムの破壊メカニズムに関する研究成果を発表


住友ゴム工業は、ライプニッツ高分子研究所との共同研究により、世界で初めて、天然ゴムのき裂先端の結晶化挙動を明らかにした。この内容は2019年3月5日〜7日にドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo 2019」にて発表された。この研究成果を活かし、従来と比べて優れた耐摩耗性能を持つゴムの開発を進め、さらには「より性能が持続する」高性能タイヤの開発につなげていく。

住友ゴム工業は既に合成ゴム内部の「ボイド」と呼ばれる空隙(ゴム破壊の元)の発生からき裂発生までのメカニズムを解明していますが、今後の環境問題や性能持続の観点から、タイヤの主原料の一つである天然ゴムの破壊現象を解明することも重要なポイントと位置付けている。

天然ゴムは、伸ばすと結晶化することが知られており、この結晶化部分は剛性が高くなります。そのため、SBR(タイヤで一般的に使われている合成ゴム)では発生しないこの結晶化は、天然ゴムのき裂成長や破断に強く影響すると考えられている。

き裂先端の力とひずみの関係を再現し、かつX線での結晶構造の解析を可能にするために伸長方向に対して幅方向が十分に広い天然ゴムの平面試験片を用いて、伸縮を繰り返した場合のき裂先端について、X線広角散乱を用いてゴム内部の結晶化挙動を観察した。

短冊試験片を伸長した場合は天然ゴム分子のほとんどが伸長方向に揃い結晶化が発生しますが、十分に広い天然ゴム平面試験片のき裂先端では、ひずみの拘束のために、分子の並びが短冊試験片ほど揃わず、結晶がランダムにいろいろな方向を向いていることが分かった。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】