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2018年11月27日

【流 通】革新的鮮度維持技術による日本産生鮮品輸出実証プロジェクトを開始


エバートロン、オークラ ニッコー ホテルマネジメント、大阪大学産業科学研究所、三重大学、全国農業協同組合連合会、凸版印刷、豊田通商、パナソニック アプライアンス社は、共同で、日本産生鮮品の輸出拡大に向けた革新的鮮度維持技術による日本産生鮮食品輸出実証プロジェクトを開始する。

昨今、海外における和食ブームに伴い、日本の食材への注目が高まっている。日本政府は、農林水産物・食品の輸出額を2019年に1兆円とする目標を掲げており、国産生鮮食品においても、今後さらなる輸出拡大が見込まれる。

しかしながら、従来のコールドチェーン(※1)技術では、日本から輸出した生鮮食品が海外の消費者へ届くまでに鮮度劣化を起こし、品質が低下することが課題となっている。この課題解決に向け、エバートロンが開発した鮮度維持の効果を食材内部にまで発揮する鮮度維持装置「Freshtron(フレッシュトロン)」、大阪大学産業科学研究所川上茂樹特任准教授らが開発した食材の表面を殺菌する「超酸素水」、食材の保管環境を最適に管理する「鮮度維持袋」を駆使し、生産から消費までのバリューチェーンに適用できる革新的鮮度維持技術を開発した。同技術を用いて国産生鮮食品を海外の消費者へ、鮮度を維持した状態で輸出する実証実験を行う。

Freshtronは、エバートロン社が開発した水分の分子結合構造を変化させることで鮮度を維持する電波evertronWAVE(エバートロン ウェーブ)を採用した。食材を数十分、装置内に入れておくだけで、食材自身が鮮度を維持する体質に変わる。同装置で生産地にて食材を処理すると、通常の冷蔵車による輸送でも鮮度維持の効果が発揮されます。また効果は約1 か月維持できるため、鮮度を維持した状態での船便輸送も可能になる。

超酸素水は空気中に噴霧することで、超微小なナノミストが食材全ての表面をカバーする。成分は水と酸素のみであるにも関わらず、世界で唯一、芽胞菌(※2)と休眠胞子(※3)まで殺菌が可能になる。集荷場の環境を超酸素水で殺菌することで、菌数が非常に低い状態で農作物の出荷が実現する。

従来の鮮度維持袋は食材の呼吸量を減らすことで鮮度維持を保存しているが、今回使用する鮮度維持袋は、食材から排出されるエチレンガスを二酸化炭素と水に分解することで、食材の呼吸量を減らすと同時に鮮度維持に必要な空中湿度を保持して水分の蒸散を防ぐ。これにより、野菜・果物の鮮度保持期間を延長することが可能になる。

※1 コールドチェーン
生鮮食料品等を生産段階から消費段階まで、所定の低温に保ちながら流通を図る低温流通機構

※2 芽胞菌(がほうきん)
一部の細菌が増殖に適さない環境で形成する耐久性の高い特殊な細胞構造(芽胞)を形成する菌体。熱・薬剤・乾燥などに強い抵抗力を示し、長期の休眠状態を維持することが可能。増殖に適した環境になると発芽して菌体に戻る

※3 休眠胞子
胞子が生成されてから、一定の休眠期間を経て発芽する胞子

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通