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2018年11月22日

【物 流】日本郵船 機関事故を防ぐため油中水分アラームを開発


日本郵船は、ビックデータ活用の取組みの一環としてMTIと共同で、潤滑油に含まれる水分量の異常をリアルタイムで検知できる高度アラームシステムを開発(特許出願中)し、日本郵船が保有する運航船「原町丸」の主機に搭載した。

船舶のエンジンを安全稼働させるためには、潤滑油の適正な品質・性状の管理が重要となってくる。そのため、エンジン冷却水の漏洩や、油清浄機といった関連機器の不具合により潤滑油中に水分が多く混入すると軸受損傷など、大きな事故につながる可能性がある。

従来は船上で潤滑油を定期的にサンプリングし、陸上分析機関で潤滑油中の水分量を計測していたためリアルタイムで混入水分量を把握できなかった。そこでシステムを開発するために、1年間分の船舶の潤滑油中の相対水分量のデータや、機関室内の温度・湿度、主機回転数といった周囲環境データを収集し、相対水分量と機関室内の温度や湿度には強い相関関係があることを確認した。今回開発したシステムはその相関性を活用し、リアルタイムで潤滑油中に含まれる水分量の異常を検知でき、一定値ではなく周囲環境によってアラームを発する値が変化するため、より早期に異常を発見することが可能となる。潤滑油中の水分量に起因する主機トラブルを未然に防ぐとこで機関予防保全の高度化を目指している。

日本郵船は今後、高度な油中水分アラームシステムを実船に搭載し、モニタリングを継続して潤滑油中の水分量に起因する異常を早期に検知し安全運行を徹底する。また、発電機への実装に向けてセンサーからのデータの収集や分析を行い、新たに発電機向けの高度アラームシステムの開発を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 物流事業者