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2018年06月20日

【流 通】顧客の声をビジネスに生かすテキストマイニングツールを開発


キヤノンITソリューションズ(以下キヤノンITS)は、顧客の声をビジネスに生かすテキストマイニング技術を核としたVOC分析ツールを開発した。キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)のビジネス機器の商品企画・開発業務において事業の一環として運用を開始している。

顧客視点の製品やサービスを事業展開するには、コンタクトセンターの問い合わせやSNSの投稿など「顧客の声」を活用することが重要である。しかし、顧客の声をテキストデータで蓄積していたとしても、膨大なテキストを人手で読んで知見を得ることは容易ではない。

こうした背景の中、キヤノンITSはこのたび、R&D本部 言語処理技術部を中核として、テキストマイニング技術(※)を活用としたVOC(Voice Of Customer)分析ツールを開発した。平成29(2017)年8月よりキヤノンMJにおいて実際の運用を開始しており、オフィス複合機やレーザープリンターなどのコールセンター問い合わせ履歴を同ツールで集計、分析することで、キヤノン製ビジネス機器の商品企画・開発業務に活用している。

VOC分析ツールはウェブアプリとしてブラウザ上からアクセスでき、複数人が同じデータの分析を行うことができる。稼働環境はオンプレミスでもクラウドでも容易に対応可能。データはテキストデータに限らず、数値データ・時刻データ・カテゴリデータなどを組み合わせて様々な角度から分析できる。データの集計・検索にはOSSの高速な検索エンジンであるElasticsearchを利用し、日本語処理は独自の実装を行っている。

また、キヤノンITSは自社の手帳サービス「ネットde手帳工房」のデジタルマーケティング業務と、Webアプリケーション自動生成ツール「Web Performer」のサポート業務においても、事業の一環として運用を開始している。「ネットde手帳工房」のデジタルマーケティング業務では、SNS上のユーザーに直接アプローチすることを支援する機能を開発し、業務を効率化している。

一方、「Web Performer」のサポート業務では、応対ログを保管するデータベースから直接データを取り込む機能や、月次レポートの作成を支援する機能を追加している。このように、キヤノンITSのVOC分析ツールは、業務に応じてカスタマイズできる柔軟性を備えている。

キヤノンITSは今後、今回のシステム開発・構築の実証実験・実績を生かしながら、同ツールをSIコアやソリューションとしてサービス提供、事業展開していく計画としている。また、R&D本部 言語処理技術部は、今後も顧客の声のさらなる活用を目指し、データと業務の特性に応じた柔軟な技術開発と課題解決支援、研究開発を展開していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通