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2018年06月14日

【環 境】NEDOと日本地下水開発 高効率帯水層蓄熱システムを開発


NEDOと日本地下水開発は、秋田大学、産業技術総合研究所(産総研)とともに、地下帯水層に冷熱・温熱を蓄え、冷暖房に有効利用できる国内初の高効率帯水層蓄熱システムを開発した。同システムを山形県山形市内の事務所建屋の空調に導入し、実証実験を行った結果、従来システムと比べて初期導入コストの23%削減と、1年間の運用コストの31%削減を達成できる見込みを確認した。

再生可能エネルギーの利用拡大には、電力に加え、熱(地中熱・太陽熱・雪氷熱など)の利用も重要ですが、再生可能エネルギー熱利用においては、導入コストや運用コストが高いことが課題として挙げられている。そこでNEDOでは、「再生可能エネルギー熱利用技術開発」において、再生可能エネルギー熱利用システムの普及促進・市場拡大を図るために、システムのコストダウンに関する技術開発を実施している。

今回開発した高効率帯水層蓄熱システムは、2本の井戸を冬期と夏期で交互利用し、地下水の流れの遅い地下帯水層に冬期の冷熱、夏期の温熱をそれぞれ蓄えることができる。夏期は、冷房利用することにより温められた地下水を、さらに太陽熱により加温し、温熱として地下帯水層に蓄え、冬期は、その暖かい地下水を暖房利用することで冷やされ、さらに消雪の熱源として利用することでさらに低温となった冷熱源として地下帯水層に蓄える。こうした地下帯水層を利用することにより、システム効率を向上させて大幅な省エネ化が実現することができる。

今後、高効率帯水層蓄熱システムの実証実験を引き続き実施し、地下水の注入状況などの稼働データモニタリングを継続しながら、システム効率などの検証を行うとともに、普及に向けた本システムの導入マニュアルの作成を進めていく。平成31(2019)年度以降は、秋田大学と産総研が開発を進めている、東北地方主要5地域における帯水層蓄熱システムの適合性評価のためのポテシャルマップを活用し、本システムの適合可能な地域に積極的に高効率帯水層蓄熱システム導入を進めていく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】