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2018年05月22日

【環 境】IHI アンモニアを燃料とした燃料電池システムによる1KWの発電に成功


IHIは、低炭素社会を実現する新たな燃料として期待されるアンモニアを燃料として、直接供給する固体酸化物形燃料電池(SOFC ※)システムを開発し、横浜事業所で平成30(2018)年3月に1kW級の発電に成功した。

現在、エネルギー・気候変動・雇用などの社会課題の解決を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」の取組みが世界各国で推進されており、エネルギー分野では発電時にCO2を発生させない水素の利用拡大が期待されている。一方で、その普及に向けては運搬・貯蔵のコストが課題であり、SIP「エネルギーキャリア」では様々な研究開発が行われている。その中でもアンモニア(NH3)は、水素含有量の多さ、液化・運搬・貯蔵の容易さ、また,肥料や化学原料として流通しているため、輸送インフラが既に整っていることなどから、低炭素社会の早期実現を可能にする新たなエネルギー源として注目されている。

水素と酸素の化学反応から生じるエネルギーを電力として取り出す燃料電池は、今後、分散型電源として利用の拡大が期待されている。同システムは炭素を含まないアンモニアを燃料とするため、CO2を排出しない。また、現在普及している多くの燃料電池システムでは燃料を水素に変えるための改質器が必要であるが、同システムではSOFCの運転温度域でアンモニアが水素と窒素に熱分解されるという特性を生かした、改質器を設置しないシンプルな構成が特徴である。

※ 固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)
700〜900℃で動作する酸化物セラミックスを構成材料とする燃料電池で、すでに都市ガスを供給する家庭用ユニットは実用化されている。
発電効率が高く、都市ガスによる発電でその有効性が確認されている。燃料極、電解質、空気極から構成され、燃料には水素のほか一酸化炭素などが使用される。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】