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2018年03月19日

【流 通】リアルタイムに商品の陳列状況を分析できる商品棚画像認識エンジン開発


NTTドコモ(以下、ドコモ)は、スーパーやコンビニ等の小売店で商品棚をスマートフォン等で撮影することでリアルタイムに商品の陳列状況を分析できる商品棚画像認識エンジンを開発した。

商品棚画像認識エンジンは、ドコモのAI技術を活用した画像認識エンジンであり、NTTグループのAI「corevo」を構成する。複数の商品が写った画像から、個々の物体の位置を98%以上(※)の精度で検出できる「物体検出」と、検出した物体を画像データベースと照合させ、どの商品に該当するかを95%以上(※)の精度で特定し認識する「特定物体認識」の二つの技術で構成されている。

従来の画像認識技術を搭載した商品棚分析端末では、高精度に商品を認識するためには、商品が正面を向いていること、前列に陳列されていることなど撮影条件が課題となっていた。

一方、商品棚画像認識エンジンは、商品の向きや陳列位置に撮影条件がなく、陳列スペースが狭く商品を詰めて陳列する場合でも商品位置の特定が可能である。また、市場に流通する数百万種類の商品の認識に対応し、たとえ新商品であってもデータベース登録を行えば、直ちに認識することができる。

流通・小売業界において、商品陳列棚における商品管理、売上の分析等に、同技術は広く活用が見込める。商品メーカーが、売上の要因分析をするために店舗棚割の実態を把握することは重要であり、現在はラウンダー(店舗巡回担当者)が手作業で棚割をデータ化するため、手間や時間がかかっている。しかし、同エンジンを活用することで、入力ミスの減少によりラウンダーの生産性が向上され、作業時間の大幅な削減に寄与する。

なお、商品棚画像認識エンジンを用いたファーストユーザーであるサイバーリンクスが、「棚SCAN-AI」を提供する。「棚SCAN-AI」は、スマートフォン等で売場(商品陳列棚)を撮影した画像から商品情報や陳列位置情報を判別し、店頭陳列(棚割)のデータ化を行い、店頭分析や棚割システム連携などを行うことができる。

ドコモは、中期戦略2020「beyond宣言」におけるソリューション協創を推進している。同案件は、研究開発部門・法人部門にて組織横断的に混成チームを構成し、顧客の課題解決を図る取組み「トップガン」にて創り出した。


※ ドコモ調べ。日用雑貨、カップ麺、飲料を商品棚に配置して撮影して精度を測定した

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通