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2018年03月14日

【流 通】「5G」・4K3Dモニターを活用した建設機械による遠隔施工に成功


KDDI、大林組、日本電気(以下 NEC)は、次世代移動通信システム「5G」、4K3Dモニターを活用した建設機械(以下 建機)による遠隔施工に国内で初めて成功した(※1)。

 遠隔施工の実証試験は、2018年2月に大林組の東京機械工場で実施された。災害復旧などに代表される危険作業においては、オペレーターが建機に搭乗せず、離れた場所から映像を頼りに建機を操作する、無人運転が求められている。しかし、遠隔操作は搭乗操作に比べ建機の動作が遅くなるため、作業効率が50%〜60%程度に低下すると言われている。遠隔操作の場合には建機に設置したカメラからの映像と建機を俯瞰する映像のみを頼りに作業を行うことがその主な原因である。

実証試験では、「5G」の特長である高速・大容量通信を建機の遠隔操作に応用し、既存のモバイル通信では実現が困難であった高精細映像の伝送を実現することで、遠隔地にいるオペレーターへの情報提供量の増大による負荷軽減により、遠隔操作の作業効率を従来に比べ15%〜25%改善した。現行の建機に高精細4Kカメラを2台、2K全天球カメラを1台、2K俯瞰カメラを2台設置し、計5台からのカメラ映像を28GHz帯の超多素子アンテナによるビームフォーミングを活用して遠隔操作室に伝送した。遠隔操作室では、裸眼でも自然に立体視が可能な4K対応の3Dモニターを導入することで従来のモニターに比べ奥行をより正確に捉えることが可能となり、作業効率を大幅に改善できることを確認した。

これにより、遠隔地からでも繊細な操作が可能となるため、人が立ち寄ることができない災害現場においても復旧作業を安全かつ迅速に進めることができる。なお、同実証試験は、総務省の技術試験事務における「5G」総合実証試験(※2)として実施している。3社は実証試験を通じて、「5G」を活用したICT施工の実現に向けて「建機の無人化」「リアルタイム遠隔施工」など高度な建設技術の実現を目指す。


※1 KDDI調べ。「5G」の高速・大容量通信を活かし、映像伝送に4K3Dモニターを活用すること

※2 電波を有効に利用できる実現性の高い技術について技術的検討を行い、その技術の早期導入を図ることを目的として、総務省が「技術試験事務」を実施している

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通