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2018年02月26日

【流 通】カネカ iPS細胞などの多能性幹細胞の大量培養に関する特許を日本で取得

カネカは、東京大学酒井康行教授らと共同で開発した「iPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞を大量培養する方法」(※1)に関する発明について、日本における特許を取得した。

今回成立した特許は、社会的に影響が大きいと考えられたため、国際出願の後、日本においてスーパー早期審査請求(※2)し、早期に登録査定を付与された。

同特許は、ヒトiPS細胞などの多能性幹細胞を液体培養する際、リゾリン脂質(※3)を加えることで、適度な大きさの細胞凝集塊にコントロールすることができ、10億個以上の幹細胞を効率よく、低コストで大量培養することを世界で初めて可能にした。この特許の権利は培養方法並びにその培養方法で製造された細胞すべてに及ぶ。なお、日本以外に、米国、欧州、アジアなどにも出願しており、それぞれ成立に向けて手続きを進めている。

今回の大量培養技術に関しては、関連する研究者や企業から高い関心が寄せられており、同社は多能性幹細胞を大量かつ高品質に作製できる技術開発を進め、再生・細胞医療における本技術の実用化に向けた取り組みを加速させていく。

※1:リゾリン脂質を含む液体培地中で多能性幹細胞を浮遊させながら培養することで、細胞凝集塊を均一で適度な大きさにコントロールし、様々な細胞になることが可能な未分化性を維持した多機能性幹細胞を大量に生産できる方法。

※2:通常の出願であれば特許取得までに1〜2年かかるところを、スーパー早期審査が適用されれば、最短で出願から1か月以内で特許を取得できる。

※3:脂肪酸を1つだけ持つリン脂質。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通