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2018年02月09日

【アジア】NEDO インド・ハリヤナ州でスマートグリッド実証を本格始動

NEDOは、インド共和国北ハリヤナ配電公社(UHBVN)とともに、インド・ハリヤナ州パニパット市内に監視制御システムと約1万台のスマートメーターを設置し、実系統でのスマートグリッド実証事業を本格的に始動した。

実証事業では、パニパット市内の特定のエリアにおいて、監視制御システムにより配電系統を監視・制御するとともに、設置したスマートメーターから電力消費量のデータを集約することで、同国の配電会社が抱える課題である配電ロスを低減する技術の実証を行う。

NEDOは、同取り組みを通じて、インドの配電網のスマート化に貢献するとともに、日本のスマートコミュニティ技術の普及促進を目指す。

インドでは、経済成長に伴い電力需要が増大する中、インフラ整備の遅れから慢性的な電力不足、長い事故停電時間、盗電・電力メーター改ざんなどが起こっており、これらの問題解決のために、配電会社においては、スマートメーターなどのスマートグリッド関連技術の導入による配電設備・システムの拡充が喫緊の課題となっている。そのため、インド政府は配電ロスの少ない次世代配電網の構築を目指す政策を掲げるなど、スマートグリッド関連技術への関心は高く、現在、インド電力省主導の下、14の配電網のスマート化パイロットプロジェクトが推進されている。このような背景の下、NEDOは、同国の配電会社が抱える課題解決に貢献するため、インド電力省などと、ハリヤナ州パニパット市を対象としたスマートグリッド関連技術実証事業と、キャパシティ・ビルディング事業の実施に関する基本協定書(MOU)を2015年12月2日に締結し、事業を実施してきた。同事業は、インド政府が掲げる14の配電網のスマート化パイロットプロジェクトの一つとして位置付けられている。

今回の実証事業は、富士電機と住友電気工業が委託先として事業を担当しており、パニパット市内において、監視制御システムにより配電系統を遠隔で監視・制御するとともに、設置したスマートメーターから電力消費量のデータを集約し、(1)ピークロード低減技術、(2)配電系統監視・制御技術、(3)盗電・電力メーター改ざん・料金徴収漏れなどの配電ロス低減技術を通じて、同国の配電会社が抱える課題である配電ロスを低減する技術の実証を行う。

また併せて、THEパワーグリッドソリューションを委託先として、配電ロスの低減、柱上変圧器故障率の削減、停電頻度の改善などの解決に向けて、インドの配電会社が日本のスマートグリッド関連技術を効果的に活用できるように、当該技術の活用方法を含めた配電システムの運用ノウハウなどの提供を行うキャパシティ・ビルディング事業も実施している。

NEDOはこれら事業を併せて行うことで、インドの配電網のスマート化に貢献するとともに、日本の優れたスマートグリッド関連技術の有効性を示し、日本技術の海外普及および日本企業によるインド国内での事業展開の足掛かりとなることを目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| アジア