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2018年01月16日

【環 境】FLOSFIAとデンソー 電動化車両向け次世代パワー半導体の開発で協業


FLOSFIAとデンソーは、次世代のパワー半導体の材料として、コランダム構造酸化ガリウム(以下:a-Ga2O3)の車載応用に向けた共同開発を開始することを決定した。また、あわせてデンソーがFLOSFIAのシリーズCの新株を引き受ける資本提携をした。

a-Ga2O3は京都大学・藤田静雄教授が世界で初めて単結晶合成に成功し、5.3eVと高いバンドギャップをもち、絶縁破壊電界が大きいことなどから、従来のシリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)にかわる次世代の低損失パワー半導体材料として期待されている。a-Ga2O3を用いることで、電動化車両に搭載されるインバーターの低損失、低コスト、小型軽量化が期待でき、電気自動車など電動化車両の普及に貢献することが見込まれている。

FROSFIAは平成23(2011)年に創業した京都大学発のベンチャー企業で、a-Ga2O3を用いたパワー半導体の事業化に取り組んでいる。平成27(2015)年に世界最小のオン抵抗0.1mΩp2のSBD(Schottky Barrier Diode)試作データを発表、平成28(2016)年に新規p型半導体a-lr2O3、平成29(2017)年9月にDC-DCコンバータでの動作実証に成功するなど、世界に先駆けてa-Ga2O3の研究開発、事業化に取り組んできた。

デンソーは、平成19(2007)年からハイブリッド車や電気自動車向けに、「パワーコントロールユニット(以下:PCU)」を提供している。PCUは、電池からモータージェネレーターに流す電流を調整するインバーターなどを備えた製品で、エネルギーをより効率的に使うためには、電流を直流から交流に変換する際のエネルギー損失を抑える必要がある。そのため、デンソーは従来から低損失パワー半導体の研究開発に取り組んできた。

両社はa-Ga2O3の車載応用に向けた共同開発を通じ、自動車の電動化におけるキーユニットであるPCUの技術革新を目指す。これにより、自動車の軽量化や燃費改善を推進し、環境性能の向上に貢献する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】