<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2017年12月25日

【環 境】NTTドコモとフジクラ 小型で長時間発電が可能な燃料電池の共同実験


NTTドコモとフジクラは、フジクラが新規に開発を進めている直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell)方式を用いた世界初の定格電力1kWの燃料電池(以下:同燃料電池)を、NTTドコモのグリーン基地局に適用する共同実験契約を締結した。

この燃料電池は、メタノールと空気中の酸素を化学反応させて高効率に電気を起こし、有害物質も発生せず、静寂性に優れている。従来の燃料電池は大型で定置型であったが、同燃料電池は本体サイズが従来型の20分の1以下で可搬性に優れているため、狭い場所やビルの上にある小さな基地局への設置、および災害発生時の被災地域への緊急の持ち込みが可能となる。また、燃料電池を基地局に適用する際の運用時間も、従来の3日間から4日間(※)となり、これまで以上に長時間運用が可能となったことで災害時の停電などへの活用が期待される。

さらに、NTTドコモが開発を進めているソーラーパネル搭載のグリーン基地局と同燃料電池を連携運動させることにより、1週間以上の基地局の運営が可能となる。

今回の共同実験では、NTTドコモが高知県で運用しているグリーン基地局で、災害発生を想定した長時間の運用や、ソーラーパネル電力と燃料電池の連携運動試験などを行う。平成29(2017)年12月20日から平成30(2018)年9月30日までの期間での実証完了を予定している。

フジクラは、安全な保管が可能なメタノールで直接発電ができる燃料電池の高出力化と安定動作により、燃料電池技術の高度化を検討している。NTTドコモは、グリーン基地局をはじめとした環境に優しい基地局の構築や、災害時などに活用できる安心、安全のための電力制御の研究を推進している。

両社はこれからも安心、安全の一環として、基地局や端末の緊急充電などに使える小型で環境に優しい燃料電池や、バイオメタノールなどの再生可能燃料の研究を通じて、平成32(2020)年代に向けて環境面でも貢献していく。

※ 5台で5kW、燃料200Lの場合

グリーン基地局
再生可能エネルギーである太陽光発電を有効利用した、環境に優しく、災害にも強い基地局。
災害時、基地局への商用電源の供給が滞った場合でも、ソーラーパネルの太陽光発電単独で、基地局を運用し、日中の携帯電話の通信を確保する。また、グリーン基地局には燃料電池を備えており、夜間など太陽光発電で電力が賄えない場合には、基地局を長時間運用する

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】