<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2017年08月29日

【環 境】東レ VOCフリー・CO2削減を可能にする印刷システムへの取組み開始


東レは、従来から環境に配慮した製品として広く認知されている東レ水なし平版と、新たに開発した水溶性UVインキを用いて、印刷工程でのVOC(※)フリー化と、省エネルギー化によるCO2の大幅削減を可能にする「軟包装用水なしオフセット印刷システム」への取り組みを開始した。

今回、新たに開発したインキ原料TWV-Ptypeを用いた水溶性UVインキ水なし印刷用水溶性UVインキ原料は、印刷後の版や印刷設備の洗浄時に、従来のVOCを発生する有機系の洗浄液ではなく、水系の洗浄液を使用することが可能となり、水なし印刷の環境優位性を一層高めることができる。

VOCの排出は、PM2.5による環境汚染の原因の一つとして社会問題となっており、世界中でVOC排出の規制強化が進む中、中国では印刷業に対してVOC排出費用徴収制度の適用を開始するなど、VOCを排出しない印刷方式の必要性が高まっており、この水溶性UVインキ原料は、環境問題解決に貢献できるものと、大きく期待されている。

さらに、東レは、この水なしオフセット印刷システムの技術を利用して、VOC削減のみならず、CO2の大幅な削減にも繋がる「軟包装用水なしオフセット印刷システム」の開発に着手した。

軟包装とは、フィルム素材を使った包装で、軽量、柔軟、加工のし易さ、透明性、バリア性などの特徴から、食品や菓子、シャンプー・洗剤の詰め替え用など、幅広い商品の包装に採用されている。現在、軟包装印刷は、アジアでは主としてグラビア印刷方式(凹版)で行われているが、有機溶剤を含むインキを大量に使用するため、VOC排出の原因となっている他に、加熱乾燥や排気燃焼処理に伴う膨大なエネルギー使用量(CO2排出量)が課題となっている。これに対し、東レ水なし平版Rと、水溶性UVインキを用いた「軟包装用水なしオフセット印刷システム」では、省電力LED-UV技術によるインキ乾燥(硬化)方式を組み合わせることで、溶剤乾燥や排気処理が不要となるため、VOC排出量削減(1/50以下)に加えて、電気消費量も1/6以下にできることからCO2排出量も大幅に削減することが可能となる。

※ VOC
揮発性有機化合物。大気中に放出されると公害などの健康被害を引き起こす

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み 【機関別】