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2017年08月07日

【知 識】東北大とヤクルト 乳酸菌摂取の保健効果を明らかにする共同研究を開始


東北大学東北メディカル・メガバンク機構とヤクルト本社(以下、ヤクルト)は、乳酸菌摂取による保健効果を明らかにすることを目的とした共同研究を実施する。

今回実施する研究では、東北メディカル・メガバンク機構が実施するコホート調査(※1) の参加者を対象に、乳酸菌飲料および発酵乳の摂取状況のアンケート調査を 2017年8月1日から行う。対象は東北メディカル・メガバンク機構によるコホート調査の詳細二次調査(※2) 成人参加者(最大約 9 万人)であり、同意を得られれば、乳酸菌飲料および発酵乳の摂取状況に関するアンケート調査への回答を依頼する。このアンケートを東北メディカル・メガバンク機構が管理する疾病罹患・生理機能情報、生活習慣情報と合わせて解析することにより、乳酸菌摂取と種々の健康指標の関連を調べ、その保健効果を明らかにすることを目標としている。さらに遺伝情報やオミックス情報(※3)などを含めた総合的な解析を行うことにより、東北メディカル・メガバンク計画(※4) が目指す「個別化予防」の基盤構築にも貢献する。

この共同研究は平成32年度末までの期間を予定しており、得られたデータは、東北メディカル・メガバンク計画のバイオバンク(※5) に格納され、データ整理完了後、一定の解析期間を経て、全国の研究者に分譲され、個別化医療・個別化予防の研究に有効活用される予定にしている。

※1 ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、生活習慣などの環境要因・遺伝要因などと疾病発症の関係を解明するための調査のこと。

※2 平成 28 年度までにコホート調査に参加した方にお願いする、2 回目にあたる健康調査で、最初に調査に参加いただいた時点から健康状態がどう変化したかを把握・分析する。調査内容は生活習慣や食習慣に関するアンケート、血液・尿検査、生理学的検査など。参加者は 1 回目の調査結果と比較することで、自らの健康状態の変化がわかり、更に 2 回目の調査から加わる新しい検査により、さらに詳しく健康状態を知ることができる。同調査はすでに 2017 年 6 月 1 日(木)から開始している。

※3 オミックス情報病気に対するリスクを反映して血液中や尿中の量が変化するような物質を、疾患バイオマーカーと呼ぶ。この様な物質を測定することにより、病気の予防や早期発見に役立てる。コホート調査の参加者から頂いた血液や尿を試料として、タンパク質や低分子化合物などの網羅的測定を行うことにより、有用な疾患バイオマーカーが見つかることが期待される。このような網羅的測定、およびその比較解析は「オミックス解析」と呼ばれ、先進的な個別化予防・個別化医療の実現とともに、病気の原因解明や治療法開発のためにも大変重要とされている。

※4 東日本大震災の被災地等で健康調査を行い、被災地の健康状態の改善と遺伝要因・環境要因を考慮した次世代型医療・予防の確立を目指したもので、平成 27 年度より、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)が同計画の研究支援担当機関の役割を果たしている。

※5 解析研究に用いることを目的とし、試料・情報を収集して長期間保存し、解析を行う研究機関に分譲するシステムのこと。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識