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2017年03月14日

【流 通】フジタ 改良型遠隔操縦ロボットを開発 無人化施工オペレータも育成


フジタは、災害対策機械として「ロボQ II」を開発、現場への適用を開始した。これは平成11(1999) 年に国土交通省九州地方整備局九州技術事務所と共同開発した簡易遠隔操縦装置「ロボQ」(※1)を改良し、緊急時の機動性を向上させた。あわせて、災害時に無人化施工に対応できる、オペレータ育成の取り組みも開始した。

災害現場などで必要となる無人化施工専用の建設機械は台数が少なく大型であるため、緊急時の機動性や調達に課題がある。そこで、一刻を争う災害復旧に早期対応で活躍するロボットとして「ロボQ」は開発された。現地にある一般の建設機械に装置を取り付けるだけで、無人化することが可能になる。しかし、頻発する自然災害へのより迅速な対応や耐久性・汎用性の向上が求められ、リニューアルすることが喫緊の課題となっていた。

「ロボQ II」は、各ユニットと操作レバー把持部のワンタッチ着脱化、故障モニタリングおよびフェールセーフ機能を拡充することで「ロボQ」と比べ、メンテナンス性・安全性が改善され、さらに組み立て時間を短縮し、緊急時の機動性が向上した。

ロボQ IIは、平成27(2015)年度の国土交通省と経済産業省主催「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入の推進(災害応急復旧技術)」(※2) の現場検証で高評価を受け、早期活用が望まれていた。現在、長崎県島原振興局の「雲仙地区地域防災対策総合治山工事」の無人化施工に導入し、普及促進に取り組んでいる。

また、災害対策用無人化機械での作業で、経験豊かなオペレータの不足が課題となっている。フジタでは無人化機械のオペレータの教育・育成を目的として、同工事現場において、ロボQ IIを活用した運転講習会を実施した。講習会では、同社と災害協定を結んでいる協力会社の建設機械オペレータを全国から募り、機械装置の説明から実機を用いた操作訓練まで7日間の日程で実施した。

今後、定期的に講習会を実施し、無人化施工に必要な人材を積極的に育成することで、災害時に増大すると予測される応急復旧に貢献する。また、技術開発においては災害対応時の更なる施工能率向上を図るため、今後も高精度な画像伝送システム、操作系の自律制御やAIの付加などの研究開発を継続的に進めていく。

※1 簡易遠隔操縦装置「ロボQ」
「ロボQ」は市販の汎用油圧ショベルに簡単に装着でき、安全な場所から遠隔で操縦できるロボット(無人化施工技術)で、平成11(1999)年に開発され土砂災害などの有人での操縦が危険な復旧工事に適用されている

※2 次世代社会インフラ用ロボット開発・導入の推進(災害応急復旧技術)
国土交通省と経済産業省が共同でロボット開発・導入が必要な維持管理や災害対応に関する重点分野を策定し、これらに対応できるロボットを民間企業や大学等から公募し、直轄現場で検証・評価を行うことにより、開発・導入を促進する取り組み

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通