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2017年02月15日

【流 通】日本橋室町地区で高精度な屋内外音声ナビゲーション・システムの実証実験


清水建設、日本IBM、三井不動産の3社は共同で、バリアフリー・ストレスフリー(※1)な街づくりの実現に向け、日本橋室町地区のコレド室町1〜3、東京メトロ銀座線三越前駅地下歩道の一部、江戸桜通り地下歩道からなる空間を対象に、スマートフォン・アプリを活用した高精度な屋内外音声ナビゲーションにより、来街者を店舗や施設に案内するシステムの有効性を検証する公開実験を2017年2月8日から28日までの3週間実施している。

このシステムは、清水建設と日本IBMが共同開発した、ビーコンが発信する位置情報を活用した高精度な屋内外音声ナビゲーション・システムとコグニティブ技術(※2)を活用し、車いす利用者、視覚障がい者を含む来街者(日本語、英語)をそれぞれに適した誘導方法により目的地まで快適に案内することを目指している。

屋内位置情報を活用した誘導・案内については、国土交通省が東京駅や成田空港、総務省が梅田地下街などにおいて試行しています。そうした中、清水建設と日本IBMは、視覚障がい等の個人の属性を勘案し、アクセシビリティ技術や高精度屋内外位置測位技術をもとにした、屋内外の区別なく快適にナビゲーションを行う技術の開発に取り組んできた。両社が協力することで、2015年7月に屋内外音声ナビゲーション・システムの開発に至り、これまで清水建設技術研究所内に設けた常設体験施設「親切にささやく場」において実用化に向けた実証を重ねてきた。

また、三井不動産は日本橋エリアにおいて官民地元と共同で都心型スマートシティのモデルプロジェクトを推進しており、街づくりにおけるICT技術の導入を積極的に検討してきた。

今回の実証実験は、清水建設、日本IBM、三井不動産の3社が、国土交通省、東京都中央区、日本橋室町エリアマネジメント、日本点字図書館の協力を得て実現した。実験にあたっては、三井不動産が「コレド室町1〜3」の店舗の紹介やメニューなど各種情報や平面図情報を提供。それをもとに清水建設が実験対象エリアに224個のビーコンを設置し、来街者の所在位置を測位・検出するシステムと対象エリアのナビゲーション用地図を作成。さらに、日本IBMがスマートフォンを通じた対話による音声ナビゲーションを行うコグニティブ・アシスタント技術(※3)を活用したシステムの構築を担当した。

※1バリアフリー・ストレスフリー社会
国土交通省の提唱する概念で、訪日外国人や高齢者、障がいのある方々など、誰もが目的地へ円滑に移動できる社会

※2 コグニティブ技術
大量のデータから洞察を導き出し意思決定を支援するシステムに活用される技術群の総称

※3 コグニティブ・アシスタント技術
コグニティブ技術により、障がい者も含めた人々の活躍の幅を広げることを支援する研究分野

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通