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2016年09月26日

【アジア】熊谷組 日本企業として香港で初めて海底道路トンネルでのMOM事業に参画


熊谷組は、香港東部海底トンネル(Eastern Harbour Crossing、以下「EHC」)の管理・運営・保守事業(Management, Operations and Maintenance、以下「MOM事業」)に参画する。同社はこれを海外における新ビジネスモデルへの取り組みの一環として位置づけており、日本企業として香港で初めてのMOM事業に参画する。日本企業として香港で初のBOT事業に挑戦した同社は、30年にわたる事業完了を受け、自社が建設した施設のMOM事業に携わることにより、引き続き香港における社会インフラの維持に貢献する。

1961年に初の海外工事として香港プロバーコーブ水道トンネル工事を受注して以来、熊谷組は香港において多くの道路・鉄道トンネル、空港・駅施設の他、中国銀行タワーや香港文化センター等のランドマーク的建物を含め60以上の工事を手掛けてきた。中でも、香港島と九龍半島を結ぶ5本の海底トンネル(※1)のうち4本を同社が施工するなど、香港の社会インフラ整備に大きな貢献をしている。

今回のMOM事業の対象となるEHCは、熊谷組が施工した海底トンネルのひとつで、熊谷組が初めてBOT方式(※2)による運営事業(以下「BOT」)を手掛けた道路トンネルでもある。
EHCは2016年8月6日に30年のBOT事業期間が満了し、施設は香港特別行政区政府(以下「香港政府」)に返還されたが、返還後の道路の管理・運営・保守は民間事業者に委託されることとなり、同社は工事施工、BOT事業に引き続きEHCのMOM事業に参画する。EHCは香港島クォリーベイ地区と九龍半島チャコウリン地区を結ぶ全長2.2km、片側2車線計4車線の海底道路トンネルで、一日あたりの交通量は約75,000台、今後も香港経済を支える大動脈としての役割を期待されている。

BOTの事業期間の満了にあたり、CITIC社、熊谷組とニューリアルプロパティの3社による共同出資会社が所有する香港現地法人が、香港政府とのあいだでMOM契約を締結し、今後3年間(2年、発注側のオプションで1年追加可)の道路の管理・運営・保守事業を行う。

今後、海外においてさまざまな社会インフラの管理・運営・保守事業(MOM事業)の増加が見込まれている。特に香港では今後もMOM事業の案件が計画されており、熊谷組は今回のEHCのMOM事業を足がかりとして、豊富な施工実績のある香港でこれからも積極的にこうした事業に参画し、事業の拡大をめざす。

※1 5本の海底トンネル
(1)MTR103工区沈埋トンネル(鉄道、1976−1980)熊谷組施工
(2)東部海底トンネル(EHC)(道路、鉄道、1986−1989)熊谷組施工
(3)西部海底トンネル(道路、1993−1997)熊谷組施工
(4)MTR502工区沈埋トンネル(鉄道、1994−1998)熊谷組施工
(5)クロスハーバートンネル(道路)

※2 BOT方式 Build, Operate and Transfer
民間事業者が施設を建設し、供用開始後は施設を所有して維持管理及び運営を行い、事業終了後に公共に施設所有権を移転する方式

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア