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2016年08月24日

【物 流】全ト協「第94回 トラック運送業界の景況感(速報) 平成28年4月〜6月期」


全日本トラック協会は平成28(2016)年8月8日に「第94回 トラック運送業界の景況感(速報) 平成28年4月〜6月期」を発表した。

今期の業況は、非製造業の業績に伸び悩みがみられ、これまで好調であった訪日外国人旅行者の需要が鈍り始め、国内の消費関連需要も停滞したことが影響したとみられる。さらに中国経済の鈍化、6月以降の円高の進行により輸出産業を中心にマイナス影響を受けた。これらの状況により、今期のトラック運送業界は運賃水準、輸送数量ともに悪化し、営業収入や営業利益及び経常利益も悪化した。その結果、景況感の判断指標は▲40.7(前回▲30.9)となった。

標題の景況感を示すに当たり、5つの項目(@一般貨物、A特別積合せ貨物、B運賃・料金水準、C実働率等、D規模別及び取扱品目別・地域別)を挙げ、それぞれの項目別で指標を出している。

今期の各項目で判断基準としている判断指標と前回からの改善ポイントは以下の通りである。

@ 一般貨物:約4割の事業者が「やや減少」、「大幅に減少」と回答し、下記の指標となった。
・輸送数量 ▲30.9 (7.3ポイント悪化)
・営業収入 ▲23.9(7.9ポイント悪化)
・営業利益 ▲22.5(13.9ポイント悪化)

A 特別積合せ貨物
宅配貨物:3〜4割近くの事業者が「やや減少」、「大幅に減少」と回答し、下記の指標となった。
・輸送数量 ▲30.0(27.0ポイント悪化)
・営業収入 ▲20.0(32.1ポイント悪化) 
・営業利益 ▲30.0(20.9ポイント悪化)

B 宅配以外の特積貨物:約4割の事業者が「やや減少」、「大幅に減少」と回答し、下記の指標となった。
・輸送数量 ▲26.5(1.0ポイント悪化)
・営業収入 ▲18.4(3.9ポイント悪化)
・営業利益 ▲10.2(4.7ポイント悪化)

C 運賃・料金基準:一般貨物、宅配以外の特積貨物では「やや下落」、「大幅に下落」と回答する事業者が約1.5割、宅配貨物では0.5割が「やや下落」と回答し、下記の指標となった。
・一般貨物 ▲7.0(4.0ポイント悪化)
・宅配貨物 0.0(15.2ポイント悪化)
・宅配以外の特積貨物 ▲4.1(22.3ポイント悪化)

D 実働率等:実働率、実車率ともに約3.5割の事業者が「やや低下」、「大幅に低下」と回答し、雇用状況では「やや不足」、「不足」と約半数が回答し、下記の指標となった。
・実働率 ▲26.5(8.7ポイント悪化)
・実車率 ▲24.1(7.9ポイント悪化)
・雇用状況 60.9(11.3ポイント低下)
・貨物の再委託(下請運送会社への委託割合) ▲12.8(7.7ポイント減少)
・経常損益 ▲16.1(14.8ポイント悪化)

E 規模別及び取扱品目別・地域別:前回と比較し、大規模事業者、中規模事業者は悪化、小規模事業者は僅かに悪化している。
・大規模事業者 ▲21.8(10.9ポイント悪化)
・中規模事業者 ▲45.0(12.9ポイント悪化)
・小規模事業者 ▲41.8(3.6ポイント悪化)

F 一般貨物:地域別にみると、北海道、近畿、九州は水準を上げているが、その他地域は水準を下げている。
・消費関連貨物 ▲29.4(13.8ポイント悪化)
・建設関連貨物 ▲52.7(2.7ポイント改善)
・機械関連貨物 ▲43.4(19.5ポイント悪化)
・その他貨物  ▲46.7(8.8ポイント悪化)

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投稿者:gotsuat 09:45| 物流事業者