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2016年07月21日

【環 境】東芝 水素の製造能力が国内最大のアルカリ水電解式水素製造装置を開発


東芝は、1時間で燃料電池自動車(FCV)2台分の燃料にあたる約100Nm3(※1)の水素を製造可能なアルカリ水電解式(※2)の水素製造装置を開発した。同装置の水素製造量は、アルカリ水電解式の中では日本最大(2016年6月末時点 東芝調べ)で、平成28(2016)年度中の販売開始を予定している。大量の水素を製造できる特長を活かしてさまざまな水素インフラ事業向けに展開する。

アルカリ水電解式の水素製造装置は、電極基材に貴金属を使用していないため、貴金属を使用する他方式よりも低コストで電極を大型化でき、装置の大規模化に適している。東芝の保有する整流器や水素精製の技術を水電解技術と組み合わせることで、装置を大型化しても、全体のエネルギー効率を低コストで最適化することに成功した。なお同方式は、水の電気分解に用いられる電解液に高濃度の水酸化カリウム水溶液を使用していることから、氷点下の環境においても電解液が凍結せず、寒冷地での使用も可能である。

また、東芝は同方式を用いて1時間に約35Nm3の水素を製造する装置を、同社が受託している環境省委託事業「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に導入し、北海道白糠郡白糠町にある庶路ダムで小水力発電により水素を製造し、白糠町と釧路市で利用する実証を行う。この実証事業を通じて、水素サプライチェーンの構築による環境負荷低減や利便性についての検証を行っていく。

※1 Nm3:0℃、1atmの状態におけるガスの容積を表す単位

※2 アルカリ水電解式
水の電気分解方式のひとつ。化学反応で使用する電解液にアルカリ水溶液を用いる

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投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み 【機関別】