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2016年06月30日

【物 流】農林水産品の輸出拡大に向け、物流分野での課題を取りまとめ


平成32(2020)年に水農林産物・食品の輸出額1兆円目標を前倒しして実現することを目指して政府により設置された「農林水産業の輸出力強化ワーキンググループ(WG)」は、平成28(2016)年5月19日に「農林水産業の輸出力強化戦略」が取りまとめた。

「農林水産業の輸出力強化戦略」では、農林水産業の輸出拡大に向けての物流の現状の課題を明らかにし、課題に対する取組の方向が決定され、民間の取組への支援の中の物流に関わる輸出力強化戦略の一つである「生産物を海外に運ぶ、海外で売る」では、下記のような課題が挙げられた。
 
@ 輸出拠点の機能が不十分
A 生産者が個別に出荷するなど、「規模の経済」が機能していない
B 航空の場合、物量が少なく、貨物単位あたりの輸送コストが高い
C 船舶の場合、輸送時間が長く、品質上の制約がある
D 国ごとに物流への規制があり、スムーズな物流や日本企業進出に支障がある。またASEAN地域等では温度管理技術が不十分であったり、コールドチェーンインフラが未成熟である

これらの課題を解決するために、「1.輸出拠点の機能向上」「2.荷物の集約・大口化等による適正な物流コストの実現」「3.鮮度を保持してスムーズに届けるコールドチェーン」という枠組みで物流高度化に強力に取り組むことを明らかにした。

「1.輸出拠点の機能向上」は、国内の生産地から集められたモノを日本国内の集約拠点に集めているが、冷蔵倉庫等の保管容量、利便性が不十分であることを踏まえて、冷蔵倉庫の整備促進・機能充実に取り組む。他にも、港湾の冷蔵コンテナの輸出環境の改善や、成田空港での冷蔵倉庫の増床、貨物上屋の機能向上にも取り組む。

「2.荷物の集約・大口化等による適正な物流コストの実現」は、「改正物流総合効率化法」の仕組みを活用し共同輸送の促進や、鉄道や船舶といった大量輸送機関の利用促進を促し、それに加えて国内空港の着陸料減免措置の継続、那覇空港の国際物流ハブ化に向けた取組の推進等も行う。

「3.鮮度を保持してスムーズに届けるコールドチェーン」は、事業環境改善に向けて政策当局間で協議を行う。また、ASEAN地域での温度管理技術の向上を図るために、日本のクール宅配システムの国際標準化を行うだけでなく、官民ファンド「JOIN2」の活用を促進する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 行政関連