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2016年06月29日

【知 識】ダイキン工業 ABEJAと連携 AIによる高度な業務改善・効率化をめざす


ダイキン工業は、技術開発拠点であるテクノロジー・イノベーションセンターを主体として、機械学習の一種であるディープラーニングのビジネスへの応用を専門とするベンチャー企業 ABEJAとの協業を開始する。ABEJAが強みとするディープラーニングを活用して社内の様々な情報を解析し、AI(人工知能)による高度な業務改善・効率化をめざす。

近年、ビッグデータと呼ばれる大量の情報を解析できる技術としてAIが注目されており、マーケティングをはじめとする様々なビジネスシーンでAIが活用され始めている。製造業においては、開発、設計、製造、品質管理、販売、保守サービスなどあらゆる業務過程で大量の情報が扱われている。特にダイキン工業が主力とする空調事業においては、IoTへの対応を進める中で、空調機器に搭載したセンサーが収集した運転情報を、いかに人手や時間をかけずに解析し、運転時の機器制御や保守サービスなどに活用するかが新たな価値提供の鍵となっており、情報の高度な解析が可能であるAIの活用が期待されている。

ABEJAの強みであるディープラーニングは、機械学習の一種で、人間が経験から学習するのと同様に、コンピューターに蓄積された情報からAIが学習して答えを導き出す。ダイキン工業は、ディープラーニング解析のノウハウを持つABEJAとの協業を通じて、社内にある製造業特有の様々な情報から、AIで解析することによって業務の改善・効率化につながる情報を探索し、解析結果の活用をめざす。たとえば、空調機器の修理対応など、人が過去のデータを検索し判断していたプロセスでの活用を想定している。空調機器の修理対応時には、サービスマンが過去の履歴から現在対応中の案件と同様のケースを検索し、経験やノウハウに基づいて対処法や必要な部品を判断するケースが多くあった。AIの活用により、大量の履歴から不具合の傾向を自動で読み取り、対処法や必要な部品を正確に判断して提示することで、修理の一発完了率の向上につながる可能性がある。また、将来の修理対応が必要となる案件を予測し、予防保全のための事前修理の提案にもつなげることができ、顧客の負担を軽減できる可能性がある。将来的には、サービス業務に限らず、様々なものづくり業務への応用をめざす。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識