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2016年05月19日

【物 流】全ト協「第93回 トラック運送業界の景況感(速報) 平成28年1月〜3月期」


全日本トラック協会は、平成28(2016)年5月13日に「第93回 トラック運送業界の景況感(速報) 平成28年1月〜3月期」を発表した。

今期の特徴としては、中国等の新興国における景気減速や株安等により、これまで好調であった企業業績に変調した点が挙げられる。さらに年明けからの急速な円高の影響で輸出企業を中心に採算を圧迫した。更にトラック運送業界の1月〜3月期は燃料単価の下落による荷主等からの運賃値下げ圧力に晒され、運賃水準が若干の悪化となった。このことから景況感の判断指数は、▲30.9(前回▲18.2)から12.7ポイントの悪化となった。

標題の景況感を示すに当たり、5つの項目(@一般貨物、A特別積合せ貨物、B運賃・料金水準、C実働率等、D規模別及び取扱品目別・地域別)を挙げ、それぞれの項目別で指標を出している。また、上記5つの項目に追加して業界全体で人材不足の状況下にある事から実態をより具体的に把握するために人材不足と雇用状況について質問した。結果は、必要な人材が確保できていない割合が全体の68.0%となった。運行業務の影響としては、依然として「仕事を断ることがある」、「傭車の依頼を増やすことがある」、「ドライバーの時間外労働時間を増加させることがある」となっている。

今期の各項目で判断基準としている判断指標と前回からの改善ポイントは以下の通りである。
@ 一般貨物
・輸送数量 ▲23.6(7.1ポイント悪化)
・営業収入 ▲16.0(5.7ポイント悪化)
・営業利益 ▲8.6(11.0ポイント悪化)

A 特別積合せ貨物
宅配貨物 
・輸送数量 ▲3.0(26.0ポイント改善)
・営業収入 12.1(41.1ポイント改善) 
・営業利益 ▲9.1(10.3ポイント改善)
宅配以外の特積貨物
・輸送数量 ▲25.5(4.9ポイント改善)
・営業収入 ▲14.5(7.4ポイント悪化)
・営業利益 ▲5.5(26.9ポイント悪化)

B 運賃・料金基準
・一般貨物 ▲3.0(3.4ポイント悪化)
・宅配貨物 15.2(2.3ポイント改善)
・宅配以外の特積貨物 18.2(3.2ポイント悪化)

C 実働率等
・実働率 ▲17.8(4.4ポイント悪化)
・実車率 ▲16.2(3.9ポイント悪化)
・雇用状況 72.2(6.6ポイント低下)
・貨物の再委託(下請運送会社への委託割合) ▲5.1(1.3ポイント減少)
・経常損益 ▲1.3(9.6ポイント悪化)

D 規模別及び取扱品目別・地域別
・大規模事業者 ▲10.9(0.2ポイント改善)
・中規模事業者 ▲32.1(18.2ポイント悪化)
・小規模事業者 ▲38.2(11.4ポイント悪化)
・一般貨物
 消費関連貨物 ▲15.6(6.8ポイント悪化)
 建設関連貨物 ▲55.4(39.9ポイント悪化)
 機械関連貨物 ▲23.9(9.0ポイント悪化)
 その他貨物  ▲37.9(11.6ポイント悪化)

一般貨物について、業界の景況感を地域別にみると、四国は水準を上げているが、その他地域は水準を下げている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 物流事業者