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2016年03月11日

【知 識】住友化学、積水化学工業、産業革新機構 ポリオレフィンフィルム事業経営統合



住友化学、積水化学工業と産業革新機構(以下 INCJ)は、3社で設立する新会社の下、ポリオレフィンフィルム事業を行う住友化学の子会社 サーモと、積水化学工業の子会社 積水フィルムを経営統合する。新会社は、関連当局の承認を取得した上で、2016年7月の事業開始を予定している。

契約に基づき、住友化学、積水化学工業とINCJの3社が出資する新会社「住化積水フィルムホールディングス」に、サーモと積水フィルムの全ての発行済株式が譲渡される。また、新会社には住友化学、積水化学工業とINCJを割当先とする第三者割当増資により成長資金が投入される予定になっている。

これまでポリオレフィンフィルムメーカー各社は、国内の安定需要に支えられつつ、顧客からの高い要求水準に応えながら、優れた技術と確かな品質の製品を提供することで発展してきた。しかしながら、昨今国内市場の成長が頭打ちになるなかで、多くのプレイヤーによる一層の競争激化が予想されるとともに、供給過多の状態になることが懸念されている。こうした環境認識の下、住友化学と積水化学工業の両社は、INCJとの協議を通じて、サーモと積水フィルムを経営統合することで、生産性向上を図るとともに差別化製品の開発を加速させることが、今後の事業の競争力維持・強化に必要であると判断した。

新会社は、サーモと積水フィルムがお互いに有するフィルムの製品開発・製造技術を統合し、市場ニーズに合わせてスピーディーな新製品開発が可能な体制を確立する。そこに住友化学が強みを持つ材料技術と積水化学が強みを持つマーケティング力を組み合わせることで、高付加価値製品分野での競争力を強化する。

さらに、新会社に投入される成長資金を活用し、拡大が見込まれるアジア市場での事業展開や、新会社を起点とした国内フィルムメーカーとの段階的な業界再編による規模拡大を通じて、フィルム業界をリードするグローバルプレイヤーとなることを目指す。

今回の経営統合では、ホールディングス体制を採ることで、サーモと積水フィルムがそれぞれに有する強みと現行の事業形態を保持しつつ、機能統合によるシナジー効果を早期に最大限発揮する。また、今後、他社も巻き込んださらなる業界再編を目指すことも視野に入れている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識