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2016年02月19日

【知 識】住友商事と日本製鋼所 ブラジルにおける風力発電向けの鍛造事業参画


住友商事と日本製鋼所は、ブラジル最大の鉄鋼メーカーGerdau S.A.(以下「ゲルダウ」)とブラジルにおける風力発電向け鍛造品の製造・販売事業への参画、並びに同国における合弁会社(仮称 ゲルダウサミット)設立に関して基本合意した。

合弁会社ゲルダウサミットでは、ゲルダウの既存事業である鋳鍛造製品の製造・販売事業に加え、風力発電用鍛造製品の製造・販売事業に取り組む。現在、ブラジルでは電力需要増に対応するため、同国政府は再生エネルギーの風力発電の割合を2015年現在の6パーセントから2024年には11パーセントにまで増加させるべく、風力発電事業の導入支援及び風力発電関連部品の国産化政策を打ち出している。合弁会社は、同国の政策を支える事業になるとともに、既存の鋳鍛造製品と同じく、国際市場でも十分な競争力のある製品供給を行うことで、メルコスール(※)地域における風力発電向け鍛造品の最重要拠点となることを目指す。

日本製鋼所は発電をはじめとするエネルギー分野を中心に長年にわたり世界の鍛造業界をリードしてきた製造技術を、住友商事もインフラ事業や関連部品販売事業を通して培われた風力関連事業の知見やネットワークをそれぞれ保有している。この二社の強みが世界でも有数の鉄鋼メーカーであるゲルダウの強固な生産基盤に加わることで、合弁会社の成功をより確実なものにしていく。なお、日本製鋼所は鋳鍛鋼製造技術の海外への供与実績も多く、その経験をもとに鋳鍛鋼関連では今回初めて海外事業進出する。

鋳鍛造品は幅広い産業に必要な素形材であり、風力発電用鍛造品に限らず、ブラジル・中南米の経済成長に応じて需要が増大することが見込まれている。住友商事および日本製鋼所は、各社の強みを最大限に発揮した本事業の成長を通じて、中長期的な成長余力が大きい同地域の産業発展並びに経済成長に貢献する。

※ メルコスール(MERCOSUR):
南米南部共同市場。域内の関税撤廃などを目的に発足した関税同盟

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識