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2016年02月16日

【知 識】カネカ 米社と販売契約締結 グローバル市場での拡販を加速


カネカは、米国のPall Corporation(以下、ポール社)と抗体医薬品精製用資材のプロテインAクロマトグラフィー担体(製品名:KANEKA KanCapA)に関する販売契約を締結した。この契約では、ポール社が同製品をグローバルに販売するための包括的な条件を取り決めた。KANEKA KanCapAは2012年に上市し、既に有力各社で採用実績を有している。

KANEKA KanCapAは、抗体に特異的に結合するタンパク質(プロテインA)の、抗体吸着容量・アルカリ耐性・繰り返し使用に耐える安定性を独自のタンパク質改変技術により高めたリガンド(※1)高架橋セルロースに固定化することにより、高流速での精製処理を実現した。

ポール社は、フィルターを中心とした分離精製資材を製造販売しており、バイオ医薬品関連の機器、資材、生産システムでもグローバルに高いシェアを有している。バイオ医薬品製造において、従来型のバッチ式より生産性が向上する連続生産システム(※2)の開発に注力しており、高度な技術力も有している。

ポール社は、高流速での処理が可能な高性能製品であるKANEKA KanCapAを採用することで、培養から精製までの連続生産システムを完成し、新しいバイオ医薬品生産プロセスとして提案が可能となることから、今回の契約に至った。カネカは、従来の直接販売ルートに加え、ポール社のグローバルな販売・技術サービス拠点を通したルートを活用することで事業拡大を目指す。

※1 リガンド
特定の受容体に特定的に結合する物質のこと。当社製品の場合は、リガンドはプロテインAを指し、受容体は抗体を指す

※2 連続生産システム
抗体医薬品を製造する一連の工程(培養−分離−精製)を連続して行うシステム。バッチ式に比較し、小規模設備で効率的に大量生産が可能になる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識