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2016年01月08日

【流 通】金属製品に取り付けても高い読み取り精度を実現するICタグ開発


大日本印刷(以下:DNP)とフェニックスソリューションは共同で、金属製品に取り付けても安定して読み取りできるICタグを開発した。同製品は、防水性があり、紫外線に強い材質のパッケージで保護されているため、屋外での利用にも適している。

物流や建設資材、レンタル品の管理などでICタグの導入が進んでおり、管理対象品には、搬送器具やガスボンベ、鋼板、オフィス什器など、金属製品が多数あるが、ICタグの読み取り性能は金属の影響を受けやすく、“金属対応ICタグ”をうたっている製品であっても、金属製品に直接取り付けると読み取れないことや読み取り性能が著しく悪くなるなどの課題があった。

こうした課題に対してDNPとフェニックスソリューションは、これまで非接触通信の障害であった金属をアンテナの一部として活用する画期的な新技術を利用して、金属製品に直接取り付けても安定して読み取りできるICタグを開発した。同製品の基本技術は、フェニックスソリューションが「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事業」の助成を受けて開発している。

“金属対応ICタグ”として製品化されているICタグの多くは、タグを正面から読み取ることはできたが、金属の背面に貼り付けた場合やタグが複数重なった場合には読み取れないなどの課題があった。これに対し、今回両社が開発したICタグは、貼り付けた金属をアンテナの一部として活用し、金属から生じる電波を通じて非接触通信できる。広い指向性を有するため、金属の背面に貼り付ける、もしくは、複数の金属に挟まれていても、通信が可能になる。例えば、道路のマンホールの蓋の裏面に同製品を貼り付ければ、蓋を開けずに路上からタグを読み取り、メンテナンス情報を確認できる。このように、これまでICタグの利用が困難だったさまざまな金属製品での活用が期待される。また、同製品は、ICタグの通信規格として広く利用されているEPCglobal Class1 Gen2に準拠しており、既存のリーダーライターを利用できる。さらに、ICタグを保護するパッケージには、防水性があり紫外線に強い材質を使用しているため、屋外での利用が可能である。このパッケージは柔軟なため、ボンベのような曲面にも取り付けることができる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通