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2015年10月30日

【流 通】慶大理工学部と東京自働機械製作所 食の安全・安心に貢献する「リーク検査機」を共同開発


慶應義塾大学理工学部と東京自働機械製作所は、食品包装のリーク(密封不完全)品を、サーボモータが袋を押した時の反力データを解析して瞬時に検出する「リーク検査機」の共同開発に成功した。検証では直径800ミクロンのピンホールを80個毎分相当の処理能力で検査することに成功しており、これは従来技術の3分の1の大きさに相当し、精度が格段に向上している。

これにより食品製造ラインにおいて、従来は抜き取り検査で行われることが多かったリーク検査の工程を全品検査で行うことができるため、不良品の流出を未然に防ぐことが可能となり、食の安全・安心への貢献が期待される。食品包装にリークが発生した場合、酸化や吸湿による内容物の急速な品質低下を引き起こすため、食品製造ラインではリーク検査が重要視されている。

近年、食中毒・異物混入・産地偽装などの問題を背景に、消費者の食の安全・安心に対する要求が高まっている。食品包装工程において包装のリーク(密封不完全)品が発生すると、酸化や吸湿による内容物の急速な品質低下を引き起こすため、食品製造ラインではリーク検査が重要視されている。この要求に対し、現状は所定個数毎にいくつかの製品を取り出して検査を行う「抜き取り検査」が一般的だが、抜き取り検査は全ての製品を検査できないため、安全性に課題がある。

今回開発した「リーク検査機」は、作用力を発生させるサーボシステムと、独自に開発した、袋からの反作用力を抽出するプログラムによって構成されており、袋を押した時の反力データを解析してリークの有無を瞬時に判別することができる。これによって従来は「抜き取り検査」が一般的であったリーク検査を、生産ラインに組み込んだ「全品検査」で行うことができるため、リーク品の流出の低減が期待できる。

基準サンプル品を用いた検証では、直径800ミクロンのピンホール(図3)を80個毎分相当の処理能力で検査することに成功しており、これは従来技術の3分の1の大きさに相当し、精度が格段に向上している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:30| 流通