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2015年09月29日

【環 境】東芝 リヨン市でポジティブ・エナジー・ビルディング(PEB)構築実証を開始


東芝は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「フランス・リヨン再開発地域におけるスマートコミュニティ実証事業」において、再生可能エネルギー、蓄電池、省エネ機器などを積極的に導入、ビル内で生成するエネルギーが消費量を上回る、ポジティブ・エナジー・ビルディング(PEB)の構築実証を平成27(2015)年9月より開始した。

今回の実証事業では、リヨン市再開発地域内に新設された、オフィス・住居・店舗からなる複合ビルにおいて、太陽光発電・コジェネレーション(※1)・吸収式冷凍機などの創エネ機器、蓄電池などの蓄エネ機器、LED照明などの省エネ機器を設置、エネルギー管理システム(EMS)で統合管理することによりビルのエネルギー消費量を10%以上削減、PEBの実現を検証する。

ビルのオフィス及び共用部には、BEMS(※2)を導入。電気と熱による創エネルギー量と蓄エネルギー量を最適化し、最小限の運用コストでPEBの達成を図る。さらに同社が開発した画像人感センサーを用い、オフィス部分の空調機・照明・ブラインドを在室状況や日照状態に応じて細かく制御、無駄なエネルギーの消費を削減する。住居部分においては、同社開発したHEMS(※3)を導入。居住者の行動を推定し、生活シーンに合わせて暖房のモードを変更する等、機器の自動制御を行う。さらにタブレット端末により、居住者の生活シーンに応じた自動制御メニューや省エネを考慮した暖房設定温度の選択ができ、消費エネルギーの確認も可能となっている。

同実証事業は、EU加盟国が環境の中期目標として掲げる「EU環境施策20−20−20」の5年倒しとプロジェクト対象エリアのゼロエミッション化を目指すものである。同実証事業の一環として、平成25(2013)年10月には太陽光を活用した電気自動車のカーシェアリングシステムの導入、また平成26(2014)年6月には既存住宅におけるエネルギー消費量の見える化などの実証を開始している。


※1 コジェネレーション
電力と有用な熱を同時に生産するシステム。ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ガスタービンの原動機より発電し、その非熱を取り出して給湯や冷暖房に利用する。

※2 BEMS Building Energy Management System
ビル向けのエネルギー管理システム

※3 HEMS Home Energy Management System
家庭向けのエネルギー管理システム

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| 企業の取り組み 【機関別】