<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ
2015年09月14日

【アジア】IHIインフラシステム インドの貨物専用鉄道鋼橋建設工事契約に調印

IHIの関係会社であるIHIインフラシステム(以下 IIS)は、インド共和国の最大手のゼネコンLarsen&Toubro Limited(L&T)社とのJVで、インド政府鉄道省傘下の貨物専用鉄道公社(Dedicated Freight Corridor Corporation of India Limited)と、「デリー〜ムンバイ間貨物専用鉄道西線(Western Dedicated Freight Corridor)の鋼橋パッケージ15A、15B、15C」の契約に調印した。

当工事は首都デリーとインド西海岸の玄関港であるムンバイを結ぶ1,500kmの高速貨物専用鉄道線の西線のうち、両端部の555km区間中に、橋長60m〜1,400mまでの計12の鋼橋および橋長7m〜21mのコンクリート橋5橋を建設する。鋼橋の橋梁形式はトラス橋(標準スパン約48m)で、架設には日本でも広く普及している手延べ機を使った送り出し架設工法(※1)が用いられる。2015年9月末に着工、2019年9月末に完成する予定。

インド国内の貨物輸送量は年々増加する中、大容量化かつ高速化等による貨物輸送能力の強化が喫緊の課題となっている。今回受注した工事は、日印両政府が共同で推進する「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」(※2)(Delhi−Mumbai Industrial Corridor)の根幹をなすプロジェクトで、日印経済協力の象徴的案件と位置付けられている。西線の建設工事全体では、過去最大規模の4,500億円を超える円借款事業となる。全線開業後、輸送時間が大幅に短縮されることから、同国の物流ネットワークの効率化および、経済発展への寄与も期待されている。

IISはこれまで数多くの橋梁建設工事を手掛けており、また海外においても、ベトナムの日越友好橋(ニャッタン橋)やトルコ建設中のイズミット湾横断橋等、多数の大型橋梁建設に携わり、豊富な経験を有している。


※1 手延べ機を使った送り出し架設工法
橋桁を組み立てて、その先端に手延べ機を取付け、ジャッキを使って、橋桁を水平に送り出す。1連目の橋桁を送り出した後に、2連目以降の橋桁を順次接続して押し出す。橋桁を目的の位置まで押し出したあと、手延べ機を取り外し、前後の橋の高さと同じになる位置まで橋桁を下ろし、その前後の橋桁を接続して完成。

※2 デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)
デリーとムンバイの間に、貨物専用鉄道(円借款4,500億円)を敷設。周辺に、工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商業施設などのインフラを民間投資主体で整備する日印共同の地域開発構想。産業・物理・社会インフラを整備することにより、新たな雇用創出、工業生産量・輸出量の倍増を期待。日本の国際協力銀行の支援に基づき日印両国が主導するプロジェクト開発基金の共同設立、および円借款などの協力体制をもとに実現していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 07:25| アジア