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2015年04月03日

【知 識】日本光電 米社と人工内耳の独占販売契約を締結


日本光電は、アドバンスト・バイオニクス社(本社:米国)と日本国内における同社製人工内耳の独占販売契約を締結し、2015年4月から販売を開始する。

人工内耳は、補聴器では改善がみられない高度難者のために開発された埋め込み型の医療機器。装用者が携帯するサウンドプロセッサが周囲の音をマイクで捉えて電気信号に変換し、側頭部の皮膚の下に埋め込まれたインプラント(埋め込み型刺激装置)に無線信号で送る。受信した信号は蝸牛(かぎゅう)の中に挿入された電極から聴神経を通じて脳へ送られ、脳が音として認識する仕組み。人工内耳は世界で最も成功している人工感覚器の一つで、世界中で現在約40万人の方が使用している。

アドバンスト・バイオニクス社の人工内耳は、従来の5倍以上の高い解像度で音の細部まで忠実に再現するハイレゾ音声処理方式を採用し、最大83,000パルス/秒の高速刺激で音を伝える。また、新型サウンドプロセッサ「ネプチューン」は防水・防塵対応の国際規格「IP68」を取得し、水泳中や入浴中でも音を聞きとることが可能になった。

アドバンスト・バイオニクス社は、ヒアリング・ヘルスケア・ソリューションのリーダであるSONOVAグループ(スイス)に属している。海外では、同グループ傘下の補聴器メーカー・フォナック社と共同開発した新製品がすでに発売されており、大きくシェアを伸ばしている。日本光電は、自社開発の聴性誘発電位検査ソフトウェアを備えた筋電図・誘発電位検査装置では国内トップシェアを有しており、また、新生児の耳の聞こえ具合を検査する聴覚スクリーニング装置を扱うなど、聴覚分野の製品ラインアップ強化に力を入れている。今回の提携により、スクリーニングから人工内耳まで聴覚にかかわる人の様々なニーズに応えるとともに、高度難聴者のQOL(生活の質)の向上を支援していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:31| 知識