<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2015年03月13日

【知 識】長崎大学と東芝 エボラ出血熱検査試薬の実用性評価開始


長崎大学と東芝は、長崎大学熱帯医学研究所が開発したエボラ出血熱検査試薬(プライマー)の実用化に向け、実検体を用いた実用性評価を2015年3月17日から西アフリカのギニアにて開始する。

長崎大学と東芝は、東芝が2009年に実用化した生物剤の同時検知システムにおける成果を基に、2014年夏からエボラ出血熱検査試薬に関する研究を行っており、先般、2014年から西アフリカで流行しているエボラウイルス株の検査試薬を長崎大学熱帯医学研究所が開発した。

現在、現地で使用されている多くの検査装置は、血液や尿などの検体中に含まれるエボラウイルスの検査判定に1時間以上かかっていたが、今回開発した検査試薬を利用した検査装置で擬似検体の検査判定を実施したところ、検査時間を約20分程度と大幅に短縮できることが確認できた。

こうした成果を踏まえ、長崎大学と東芝は2015年3月17日から、ギニアの首都コナクリにあるドンカ国立病院の協力を得て、実際のエボラウイルス感染者の検体を用いた実用性評価を行うこととした。この実用性評価は、ドンカ国立病院の協力を得て長崎大学熱帯医学研究所の安田二朗教授と黒崎陽平助教があたり、既存の検査法と比較した有効性の確認を行う。なお、この実用性評価研究は、平成26(2014)年厚生労働科学研究委託事業「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業(研究統括者 聖路加国際大学 竹内勤特任教授)」の分担研究として実施する。

東芝は今回の実用性評価を踏まえ、この試薬と検査装置で構成された迅速検査システムを将来的には空港や港湾施設などへ提供することを目指し、国内の防疫力強化、安心・安全な社会づくりに貢献したいと考えている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 07:00| 知識